下半身の使い方③ 体重移動をせずに腰の回転で飛距離アップ


体が横に動いてしまうと振り遅れてスライスしてしまう
ティーショットでドライバーを使わず、FWを使用することがあると思います。昨年のドライビングディスタンス2位の幡地選手も、ドライバーだと飛びすぎてしまうときはFWでティーショットを打つ。飛ばし屋ですが、FWのスイングはアドレスからフィニッシュまでとてもコンパクトで静かに見えます。
飛ばそうとするとバックスイング(❷)で、右へ大きく体重移動しようとしますが、スエー(体が横に動くこと)しやすく、オーバースイングの原因にもなります。クラブには慣性モーメントがあるので、体が横に動くと振り遅れやすくなってしまう。振り遅れるとフェースが開きやすいのでスライスしたり、スライスを嫌がって手を返しすぎるとフックのミスが出てしまいます。
幡地選手のいいところは、フィニッシュまで体の幅の中でスイングしようとしていることです。アドレス時の体の幅の中でスイングするためには、下半身の動きが重要。インパクトまで体重移動をあまりせずに、体の回転を腰から捻るようにしてください。
体重移動を抑えて腰を体の幅から出さずにその場で回ると、自然とハンドファーストの形でインパクトできます。静かな動きでも「飛んで曲がらない」を両立するスイングで打てますよ。

小祝さくら
●こいわい・さくら/1998年生まれ、北海道出身。158cm。

永井花奈
●ながい・かな/1997年生まれ、東京都出身。155cm。

幡地隆寛
●はたぢ・たかひろ/1993年生まれ、広島県出身。188cm、98kg。

解説=平野 茂
●ひらの・しげる/1973年生まれ、東京都出身。早稲田大学野球部から社会人野球へと進み、プロ野球を目指したがゴルフの道に転向。2013年「フラットフィールドゴルフ」の代表として独立。師匠は叔父の中山徹プロ。
写真=中野義昌、相田克巳、高橋淳司
