「同期」という存在は単に「同じ年に入学、入社した」という意味だけでなく、何か特別な感情を抱かせるものだ。先輩や後輩に対する過剰な気配りや気負いをせずに済むから、気の置けない関係になれる。
スタートは同条件(細かい意味で言えば、学歴やら人脈やらで、最初から差があることが常なのだが)と思っているからこそ、成果や評価、スキルに差が生じると「あいつには負けられない」というライバル心が芽生える。「切磋琢磨」と捉えることもできるが、当の本人からすれば、劣等感に苛まれたり、自分の嫉妬心の醜さに絶句したりと、なかなか厄介なものだ。
11月19日放送の「深夜のダイアン」(テレビ朝日系)は前週に引き続き、南海キャンディーズ(山里亮太、山崎静代)がゲストだった。
おでん屋の屋台を模した屋外のセットで4人がトーク。山里としずちゃんがコンビでトーク番組に出演するのは、実に数年ぶりのことだ。実はダイアンと南キャンは同期で、なかやまきんに君、久保田かずのぶ(とろサーモン)、キングコング、NON STYLEらと並び「花の2000年デビュー組」と呼ばれていたのだ。それだけに、お互いに特別な感情があるようで、各々の思い出話に花が咲く。
とりわけ印象的だったのは、山里が語った南キャン結成時のエピソードだ。「他のコンビと差を生むために、男女コンビを組みたい」と思い立ち、当時は別の相方とコンビを組んでいたしずちゃんを口説き落とすも「俺が誘ったというと角が立つから、しずちゃんから誘ったことにして」と説得。まんまと騙されたしずちゃんは、山里の言う通りにしたという。
この話に限らず、山里の腹黒さはよく知られたことだ。「策士」といえば聞こえはいいが、妬み嫉みにまみれた「悪だくみ」の数々を駆使した結果、女優(蒼井優)と結婚し、朝の情報番組(DayDay.)のMCにまで上り詰めたのだから、まあ大したものだ。
今回のゲスト出演では、そんな山里の謀略の一部が明かされた。
それは今年8月29日、山里が「DayDay.」をお休みし、代役としてダイアン・津田篤宏が出演した時のこと。山里はこう語った。
「競合にはアドバイスしないし、『最近、気になる人いますか』って言われても、名前出さないし。だから『DayDay.』(の代役)も津田を推した」
最初、言葉の意味が分からずに一緒になって笑っていた津田だったが、
「自分(の立場)を脅かさへんから? 俺、おかしいなと思っててん」
ユースケのこの言葉に山里が頷くと、津田はキレる。
「おーい! 脅かさんからか!」
山里は笑いながらも、
「パンサー向井なんか(自分の立場を取って代わられそうだから)恐ろしくて勧めらんない」
ちなみにその時のことを、とてもじゃないが朝に似つかわしくない津田の顔とテンションはむしろ「ミスマッチの妙味」と、以前に当コラムで絶賛したことを思い出した。嫉妬深い山里のことだから、根に持たれているかもしれない。おー怖っ!
で、今回の同期トーク。しずちゃんがユースケを好きだった、という事実が発覚した。ユースケもまんざらではないらしく、2人で「あの時、告白してたら?」的な会話を見つめ合いながらしていた。見てはいけないものを見てしまったような…。同窓会で不倫するって、こういう感じなのだろうか。
(堀江南/テレビソムリエ)

