最近、身の回りの防災アイテムや家電が「見せる前提」でデザインされていることが増えてきたように感じます。避難グッズや照明、防災ラジオなど、かつては“必要だから置くもの”だった道具が、今ではインテリアの一部として生活に馴染む形へと変わりつつあります。そんな流れの中で、これまで“隠しておくもの”というイメージが強かった金庫にも大きな変化が起きています。
今回目にしたのは、ぱっと見では金庫に見えないほどすっきりしたデザインの新シリーズです。写真を見た人の多くがプリンターやスピーカーと勘違いしたほど、生活空間に自然に溶け込む見た目が印象的でした。防災や防犯への意識が高まる一方で、「置き場所がない」「部屋の雰囲気を崩したくない」と購入をためらう声も多い中、デザインの力でその壁を越えようとしているのが伝わってきます。
さらに、暗証番号や指紋認証で開閉できるなど、使い勝手の面でも進化している点が現代の暮らしに合っていると感じました。必要なときにサッと取り出せ、普段は家具のように佇んでくれる。そんな“生活に馴染む防犯アイテム”という存在は、これまでの金庫のイメージを大きく変えるきっかけになりそうです。
これからの防災・防犯アイテムは、ただ強い・安全といった機能だけでなく、「日常の中でどう共存するか」が重要になっていくのかもしれません。
生活防犯が変わりつつある “見せる防犯アイテム”の時代へ
ここ数年、地震や豪雨が続いたこともあり、「万が一のときに大事なものをどう守るか」を考える人が少しずつ増えているように感じます。特に、通帳や保険証、パスポート、契約書類など、失くしたり濡れたりすると困るものほど「自宅で安全に保管したい」という意識が強まっているのではないでしょうか。
一方で、“そのための道具”となると迷う人も多いようです。「置き場所がない」「部屋の雰囲気に合わない」といった理由で、防災グッズや保管アイテムを後回しにしてしまうケースもあるようです。安心は欲しいけれど、暮らしの見た目は崩したくない。この両立に悩む人は決して少なくありません。
こうした背景の中で、生活者の意識を知るための調査が行われました。金庫を購入した、または検討した人たちが“何を守りたいと思ったのか”。まずはそのデータから、今の暮らしと防犯意識の変化を見ていきたいと思います。
金庫を購入(検討)した理由

金庫を選んだ理由の多くが「大切なものの保管」や「災害対策」であることがわかります。背景には、防災や防犯への意識が高まりつつある現在の生活トレンドがあります。
金庫に見えないデザインが注目される理由
金庫と聞くと、重くて無骨な見た目を想像する人が多いのではないでしょうか。ところが最近の調査では、ある金庫の写真を見た人のうち、多くが「インテリアとして違和感がない」と答えたという結果が出ています。
インテリアとして違和感があるか

写真を見た人の多くが「これは金庫だと思わなかった」と答え、プリンターやスピーカーと勘違いした人もいたという点が目を引きました。これまでの“金庫らしさ”を感じさせない理由は、シンプルで家具に馴染む外観にあります。黒やグレーといったニュートラルな色合いに、余計な装飾を排したフラットなデザイン。直線的で落ち着いたフォルムは、まるでテレビ台やチェストの一部のように見えるため、リビングや寝室など普段の生活空間に自然に溶け込みます。
こうした変化によって、“金庫=隠しておくもの”という従来のイメージまで揺らぎ始めているように感じます。生活空間に馴染むことで、棚の中やクローゼットに押し込むのではなく、出しっぱなしでも気にならない。むしろ「使いやすい場所に置ける」という新しい価値が生まれています。
防災意識は高まっていても、実際のアイテム導入には一歩踏み出しにくい。そのギャップを埋めるのが“見せても違和感のない金庫”。デザインが理由で購入をためらっていた層にとって、大きな後押しになるのではないでしょうか。
