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板垣李光人、初共演の中村倫也の印象を語る「小学生のころによく遊んでくれていたお兄ちゃんに再会したみたいな感覚に」

板垣李光人、初共演の中村倫也の印象を語る「小学生のころによく遊んでくれていたお兄ちゃんに再会したみたいな感覚に」

主人公・田丸役の坂垣李光人と相棒・吉敷役の中村倫也
主人公・田丸役の坂垣李光人と相棒・吉敷役の中村倫也 / 撮影:田中隆信

映画「ペリリュー ー楽園のゲルニカー」の東京プレミアが11月19日に都内で行われ、板垣李光人、中村倫也、原作・共同脚本を手掛けた武田一義が登壇した。

■太平洋戦争末期の「ペリリュー島の戦い」を描いた作品

本作は、「ヤングアニマル」で連載され、かわいらしいタッチでありながら戦争が日常であるという狂気を圧倒的なリアリティで描き、第46回日本漫画家協会賞優秀賞を受賞した武田一義の漫画「ペリリュー ー楽園のゲルニカー」を劇場アニメ化したもの。

太平洋戦争末期の昭和19(1944)年、すでに日本の戦局が悪化していた中、9月15日から始まったのが「ペリリュー島の戦い」だった。襲いかかるのは4万人以上の米軍の精鋭たち。対する日本軍は1万人。繰り返される砲爆撃に鳴り止まない銃声、脳裏にこびりついて離れない兵士たちの悲痛な叫び。隣にいた仲間が一瞬で亡くなり、いつ死ぬかわからない極限状況の中で耐え難い飢えや乾き、伝染病にも襲われていく。

心優しい主人公・田丸均は漫画家希望の兵士で、仲間の最期を「勇姿」として手紙に書き記す“功績係”に任命される。そんな田丸の相棒は、銃の扱いがうまく、勇敢で頼れる上等兵の吉敷佳助。

田丸役の板垣は「うれしいですね」と東京プレミアの日を迎えた喜びを伝え、「僕自身も終戦80年という節目に、この作品に携われたことが20代の人間として、今を生きる人間として、役者としてもすごく光栄なことだと思っています。今回、この原作に出会って、ペリリュー島のこと、そして島での戦いのことを知ったように、この映画を通じて皆さまに知っていただけて、知るという連鎖がここから始まるんだなと思うと本当に胸がいっぱいです」と心境を明かした。

吉敷役の中村も「素直にうれしいです」と笑顔を見せ、「題材が題材だけに、身の引き締まる思いだったり緊張感もあったんですけど、先ほどの上白石萌音さんの歌声で、僕はすっかり(緊張が)とけました。できれば今、横になりたいくらいです」と、イベント開始前に会場内に流れていた上白石が歌う本作の主題歌「奇跡のようなこと」にも触れ、その歌声を称えた。
映画「ペリリュー ー楽園のゲルニカー」東京プレミア舞台あいさつより
映画「ペリリュー ー楽園のゲルニカー」東京プレミア舞台あいさつより / 撮影:田中隆信

■板垣李光人、田丸は「キレイにむけた“ゆでたまご”みたいな人間」

田丸について板垣は「漫画家を夢見ていて、絵を描くことが好きで。絵を描くのが好きというのは僕も同じなので親近感が湧いたんですけど、人間的には田丸は、わかりにくい表現ですけど、キレイにむけた“ゆでたまご”みたいな人間だと思いました」と答えた。

そして「物語の主人公ではあるんだけど、あの部隊の中で先陣を切って行くタイプじゃないけど、田丸がいると暖かくてホッコリするみたいな。ゆでたまごも、定食になくても別にいいけど、あるとうれしい。そんな感じです」と説明した。

吉敷役の中村とは本作で初共演。中村の印象を聞かれると板垣は「『あれ? 前にお会いしてましたっけ?』と思うくらいに壁がなくて、フランクに接してくれて、僕が小学生の頃によく遊んでくれていたお兄ちゃんに久しぶりに会ったみたいな感覚になりました。その壁のなさが、田丸と吉敷の深い絆に生かされたと思います」と答えた。

逆に、中村は板垣の印象を「会う前はずっとかわいい子だなと思ってました」と明かし、「会ってみるとかわいくていい子だなとわかりましたし、最近はひと癖あるなって感じています」と語った。

その”ひと癖”について、板垣は「中学の時に江戸川乱歩の短編と出会って、あの多感な時期にどギツ目の短編に出会ったからクセが強いのかも」と答えていた。
主人公・田丸役の坂垣李光人
主人公・田丸役の坂垣李光人 / 撮影:田中隆信

(左より)原作者の武田一義、坂垣李光人、中村倫也
(左より)原作者の武田一義、坂垣李光人、中村倫也 / 撮影:田中隆信

■板垣李光人を“田丸役”に選んだ決め手はナイトルーティンの動画

MCから田丸役の板垣、吉敷役の中村の“声”について聞かれた武田は、田丸役の候補として板垣の名前がプロデューサーから挙がっていたと言い、「板垣さんのお名前と顔は存じ上げていたのですが、声が一瞬思い浮かばなくて、家に帰ってからYouTubeを見たんです。ナイトルーティンの動画、パン作りのを」とまさかの告白。

板垣が恥ずかしそうな表情を浮かべる中、武田は「その中の板垣さんが本当に田丸っぽいなと思って、すぐにプロデューサーに連絡して『ぜひお願いします!』みたいなテンションで言ってしまいました」とキャスティングを決めた理由を伝えた。

吉敷役の中村については「元々の声がかっこいいひとなら、どなたがやっても、その方なりの吉敷になるだろうと思っていました。中村さんの吉敷は、僕が思っていた吉敷とは違っていて」と武田が話すと、中村は「え?」という表情に。

続けて武田は、「それがすごく良かったんです。勇敢な兵士というだけでなく、彼のバックボーンにある頼れるお兄ちゃん、田舎を出たことのない純朴な好青年という部分を、中村さんの声がすごく表現してくださっていて、戦場にいるかっこよくて勇敢な吉敷という青年とは別の側面があるということを、きちんと感じさせてくれました」と絶賛すると、中村はホッとした表情を見せた。
相棒・吉敷役の中村倫也
相棒・吉敷役の中村倫也 / 撮影:田中隆信


■中村倫也「見終わった後の皆様の心に何が残るのか」

他に、「パラオ語クイズ」に板垣と中村の2人が協力してチャレンジするコーナーもあり、武田にヒントを出してもらいながらも、キッチリと2問とも正解した。

最後に、中村は「本日はありがとうございました。これからご覧になられるということで、漫画とアニメの対比として、色味や音などより一層見どころが増えていると思います。物語序盤の島の光景がどう変わっていくのか、その後のストーリーがどう移り変わり、作中の人間たちは何を感じるのか、そして見終わった後の皆様の心に何が残るのか。見応えがある作品だと思いますので、ぜひ楽しんでいってください!」とコメント。

板垣は「少し怖い、もしくは目を背けたくなるような方もいらっしゃるかもしれませんが、僕はその感情を大切にしていただきたいです。なぜかというと、この作品で描かれる悍ましい戦争という歴史をしっかり恐れているからです。皆様の中でも、ぜひその想い大切にしていただきたいですし、僕自身がこの作品に出会って知った歴史をぜひ感じ取り知っていただきたいですし、少しでも心が動いてつながりができていけば嬉しい限りです」とメッセージを送り、舞台あいさつを締めくくった。

映画「ペリリュー ー楽園のゲルニカー」は12月5日(金)より全国公開。

◆取材・文=田中隆信
映画「ペリリュー ー楽園のゲルニカー」東京プレミア舞台あいさつより
映画「ペリリュー ー楽園のゲルニカー」東京プレミア舞台あいさつより / 撮影:田中隆信

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