浜辺美波と目黒蓮(Snow Man)が、11月20日に都内で開催された映画「ほどなく、お別れです」完成報告会に共演の森田望智、鈴木浩介、永作博美、夏木マリ、メガホンをとった三木孝浩監督と共に出席。オファーを受けたときの感想や、役作りのアプローチについて語った。
■新人葬祭プランナー＆指南役が“最高の葬儀”を目指す
同映画は、「小学館文庫小説賞」の大賞受賞作で、長月天音のデビュー作「ほどなく、お別れです」から始まる同シリーズが原作。就職活動に連戦連敗で途方に暮れる中、あるきっかけで葬儀会社「坂東会館」にインターンとして就職したヒロインと、そんな彼女を厳しく指導する指南役の葬祭プランナーがタッグを組み、“最高の葬儀”を目指す物語だ。
“亡くなった人の声を聞くことができる”不思議な力を持つ新人葬祭プランナー・清水美空を演じる浜辺は、オファーを受けたときのことを「最初に頂いた脚本が本当に素晴らしくて、読みながら泣いてしまったのを覚えてます」と回顧。
続けて「脚本を読んで泣いてはしまったけれど、現場に行って実際に故人様とご遺族の皆さんと、美空として対峙(たいじ)したときに、自分がどれくらい心が動くのか、どんな感情になってしまうのかというのが想像がつききれない部分があるなと思って。そんな作品に挑戦をしてみたいなと。三木さんの下でまたご一緒できればうれしいなと思ってお受けいたしました」と笑顔を見せた。
■目黒、オファーを受けて「自分にできることを頑張れたら」
一方、葬祭プランナー・漆原礼二を演じる目黒は「脚本を読ませていただいた後、すぐに僕は漫画も読みました。確かに悲しいお話ではあるんですけど、それと同時に今生きられている喜びだったり、亡くなった後にある希望みたいなものを感じられるこの作品にすごく引かれましたし、自分もこんなにすてきな皆さんとすてきな作品に関わりたいなと心から思えて。自分にできることを頑張れたらいいなという思いでした」と、オファーを受けた当時を述懐した。
目黒が演じる漆原は、美空をスカウトして厳しく指導する敏腕葬祭プランナーという役どころ。今回の役について、目黒は「現場でも浜辺さんとすごくたわいもないプライベートな話をして、仲を深めていく…というわけではなく、実際に美空にしっかりお仕事で背中を見せていく漆原みたいな関係を現場ですごく意識していました」と、美空と漆原の距離感や関係性を意識して役にアプローチしていったという。
また、漆原は葬祭プランナーの中でも特にプロフェッショナルで、納棺師としての顔も持つキャラクター。納棺の際の所作の完璧さ、美しさも求められる役どころだが、演じる上での準備を聞かれると「納棺の儀などをひたすら練習しました。着物の畳み方など練習することがいろいろあるので、家に持ち帰って練習したり、実際に葬祭プランナーの先生方に練習用の動画を撮っていただいて、動画をひたすら見続けました。漆原が(納棺の儀などを)やる中で美しくなきゃいけないと思いますし」と答え、完璧になるまで練習を重ねたことを伝えた。
そして、その上で「一つ自分が間違っちゃいけないなと思っていたのは、“振り付け”ではないので、振り付けのようにはならないようにと。しっかり故人様、ご遺族の方たちに向けた漆原なりの思いがあるので、そういった思いを大事にしながら納棺の儀であったり、いろいろな所作をやらせていただきました」と、普段のダンスの振り入れとは違う意識を持って臨んだことを明かした。
そんな目黒について、浜辺は「最初の段階から本当に所作が美しくて、手先まで亡くなった方への慈しみを感じて、純粋に美しいと思ってしまいました」とした上で、「ヨーロッパから帰ってきて、そのまま朝一に現場がまだないのに、納棺の練習をされていて。いや～すごいなぁ、時差ボケもあるだろうに…って(笑)。本当に背中で見せてくれました」と称賛していた。
映画「ほどなく、お別れです」は2026年2月6日(金)より全国公開。
◆取材・文＝月島勝利(STABLENT)
