エンジニアリングマネージメントの久松です。レンタルEM(エンジニアリングマネージャー)として、常時20社以上のお客様とご一緒しています。
社外の立場から開発組織に伴走し、必要に応じてマネジメントを代行する。それが私の仕事です。
本連載では、実際に支援してきた現場でのエピソードをもとにしていますが、登場する方々や企業が特定されないよう、一部内容をアレンジしてご紹介します。
AIを用いた組織運営のリアルなヒントを、できるだけ生々しさを残しつつお届けできればと思います。
40代ミドル社員の「配属どうする?」問題
今回取り上げるのは、あるお客様の開発部門での出来事です。
現状のポジションでは力を発揮しきれていないミドル層の社員について、「この人をどこに配置するべきか」で責任者たちが悩んでいました。
早期退職や人員整理といった現実的な選択肢が視野に入る時代だからこそ、「再配置」という判断は難しさを増しています。何度も議論を重ねたものの、明確な結論にたどり着けずにいました。
「いったんAIに聞いてみませんか?」
そこで私が提案したのが、生成AI「ChatGPT」に壁打ちしてみることでした。
こちらの企業では法人契約を通じてセキュリティや情報管理に配慮した環境で活用しており、個人が特定されない範囲で情報を入力し、第三者的な視点を借りることができます。
入力したのは「対象メンバーの強み」と「課題だと感じる点」です。
そして最後にこう問いかけました。
「あなたはキャリアアドバイザーです。この人に向いている職種やポジションを提案してください」

