11月19日(水)台湾で『第62回台北金馬映画祭』(11月6日〜11月23日 ※現地時間)の授賞式が行われ、ゆりやんレトリィバァ監督映画『禍禍女』が、NETPAC(Network for the Promotion of Asian Cinema)賞を受賞。同賞の受賞は、日本人監督としては史上初の快挙となりました。
海外映画祭で「4冠」達成の快挙!

『台北金馬映画祭』は、これまでに大島渚監督、黒沢清監督、岩井俊二監督、是枝裕和監督など数々の巨匠たちの作品が上映されてきた映画祭。
その中でもこの「NETPAC コンペティション」NETPAC 賞は、アジア映画の発展と国際的理解を促進するために設立された国際団体NETPAC(Network for the Promotion of Asian Cinema)が、選定するアジア映画部門で、アジア地域の新鋭監督や注目作を対象に、もっとも優れた作品に贈られる栄誉ある賞となっています。
『台北金馬映画祭』においても毎年選出され、アジア地域の映画の中で、最も優れた芸術性・独創性・文化的意義を示した作品に贈られるもので、アジア映画を国際的に評価する重要な指標として、世界の映画界で高い信頼を得ている賞です。
そんな名誉ある賞を、『禍禍女(英題:Mag Mag)』で映画監督デビューを遂げたゆりやんレトリィバァが受賞しました。日本人監督による同賞受賞は史上初の快挙。
今回のNETPACコンペティションには、アジア各国から選ばれた10名の映画監督が選出。
その中から、3人の国際審査員により、ゆりやんレトリィバァ監督の『禍禍女』が高く評価され、見事受賞となりました。
『第45回ハワイ国際映画祭』での「ハレクラニ・ヴァンガード・アワード」、『第54回モントリオール・ニュー・シネマ国際映画祭』でのTemps Ø部門の観客賞、さらにイタリアの『第8回モンスターズ・ファンタステック映画祭』国際長編映画コンペティション部門「最優秀作品賞」に続き、見事 “4冠達成”という異例の快挙を達成しました。
国際映画祭ならではの象徴的なショットに!

授賞式のスピーチでは、ゆりやん監督が歓喜の涙を見せ、会場は称賛の拍手に包まれました。さらに今回の授賞式では、プレゼンターを務めたのは同映画祭の主席で、世界的な撮影監督・李 屏賓(リー・ピンビン)氏。ホウ・シャオシェン、トラン・アン・ユン、ウォン・カーウァイなどアジアを代表する巨匠たちと数多くの名作を生み出し、2022年からは金馬影展執行委員会の委員長として映画界を牽引する存在です。
ゆりやん監督は、李屏賓氏から直接、賞状を手渡されるという特別な瞬間に、深い感激をあらわにしました。セレモニー後には李屏賓氏との記念撮影も実現し、国際映画祭ならではの象徴的なショットとなりました。