繊細な“点と線のアート”と圧巻のコラボ
たいぞうとのコラボ作品を手がけた「やまなみ工房」の森田さんは、知的障がいがあるアーティスト。「ふだんは近所にしか買い物に行けない」という苦労もありますが、「世界中の人に作品を見てもらいたい」と夢は大きく、純粋なアートへの思いを語ってくれました。

たいぞうと「やまなみ工房」のコラボ作品は、森田さんの絵にたいぞうが色を重ねていったそうで、森田さんの繊細な“点と線のアート”と、カラフルで自由なたいぞうの世界観が融合した作品は圧巻の仕上がり。「ちょっと描きすぎてしまった……」と反省する森田さんですが、たいぞうは「森田さんの感覚に触発されて、新しい自分を発見できました」と語りました。

たいぞうと同じ自閉スペクトラム症の「アベイユ」の羽戸さんは、アートとの出会いが「人生を変えた」と語り、グループ展の参加に充実感をにじませます。映画監督という夢もあるそうで、たいぞうも「羽戸くんは動画編集が得意だから向いてるかも!」と太鼓判。「子どもが主役のヒューマンドラマをつくりたい」と夢を語りました。

「“僕自身も作品”ということにこだわりたい」
次にたいぞうは、スタッフの人たちに「作家さんの活動をサポートするうえで気をつけていること」を質問。「やまなみ工房」の棡葉さんが「画材をたくさん準備するのはもちろん、キレイな景色を見に行くなど、新しい経験をしてもらうことで、可能性をとめないようにしています」と答えると、戸田さんも「皆さんの経験値を高めるために、いろんなところに出かけています」と、みんなで遊園地や水族館などに行った思い出を振り返りました。
合同会社らいと代表の鳥居さんは、障がい者のアートの今後についてこう力を込めました。
「障がいにはネガティブなイメージがありますが、魅力的な作品を通して、障がい者のことを知ってもらえたら。これをきっかけに、私たちの活動が認知されていったらうれしいです」

最後に『輝く個性!こだわりストたちの世界』というタイトルにちなんで、たいぞうが“アートに対するこだわり”を語りました。
「自分らしく生きて、自分らしく絵を描いて、人の役に立ちたい。“僕自身も作品”ということにこだわって、人生のキャンバスに自分なりの絵を描いていきたいです。僕は芸人なので、人を楽しませたい、喜ばせたい。その考え方はずっと変わらない。僕が絵を描くことで人が喜んでくれて、それがおカネになって生活ができたら、僕はめちゃくちゃうれしいです」