いよいよ、2025年のシーズンフィナーレとなる鈴鹿ラウンドが行なわれるスーパーフォーミュラ。シリーズを運営する日本レースプロモーション(JRP)の上野禎久社長が、次期車両の投入タイミングや海外戦への展望など、シリーズの将来に関する質問に答えた。
スーパーフォーミュラは現在、2023年より導入された車両『ダラーラSF23』を使用している。上野社長は少なくとも2027年まではSF23を使うことになるとコメントした一方で、2028年以降も引き続きSF23でレースを行なう可能性を否定しなかった。これまでは基本的に4、5年のサイクルで車両が変更になってきたが、それ以上に長いスパンとなる可能性もあるというわけだ。
上野社長はmotorsport.comに対して次のように語った。
「我々は少なくとも2027年までSF23でレースをすることは間違いありませんが、2028年以降については何も決まっていません」
「現時点では、次世代車両で皆さんの期待に応え最高のレースをお見せするためには何が必要かを検討しています。スピード、デザイン、あとはバトルができるかどうか……音も大切ですね」
「今は構想の段階です。コストが劇的に増えてしまうことも望んでいませんので、様々な角度からチームやドライバーからのフィードバックをいただき、方向性を固めているところです」
スーパーフォーミュラのシャシーコンストラクターは2014年からダラーラが務めている。昨年には日本自動車レース工業会(JMIA)がトップフォーミュラ相当の国産フォーミュラカー開発プロジェクトを打ち出して話題となったが、上野社長もダラーラ製に固執する意向ではないようで、「そこはファンやチームといったマーケットが決めることだと思います」と述べた。
■海外レースは「急いでいない」
スーパーフォーミュラの将来でもうひとつ気になるのが海外戦。2025年のカレンダーには当初、韓国・ソウルから車で2時間ほど離れたところにあるインジェ・スピーディウムでのレースが組み込まれたが、現地プロモーターと開催条件で合意に至らず、同年のカレンダーからは消滅した。JRPは引き続き、将来的な海外戦実施を模索している状況だ。
既に発表済の2026年シーズンのカレンダーにも海外戦は含まれていない。JRPはインドネシアのマンダリカやタイのバンセーンなどを訪れ積極的な視察を行なっているが、上野社長は海外戦の実施を急いでいるわけではないと語る。
「韓国だけでなく、複数の国と協議を続けています」
「海外でレースを開催するのは簡単なことではありません。チームへの負担も考慮しなければいけませんし、スケジュールという面でも簡単ではありません」
「海外レースを急ぐつもりはありません。まずはその実現に向けた適切な環境づくりに集中したいと考えています」
これまで、アジアでの海外戦開催をテーマに掲げてきたスーパーフォーミュラ。タイ、インドネシアといった東南アジアに限定して検討しているのか、中東などは視野に入れていないのかと尋ねられた上野社長は、「エリアを限定していない」としつつ、「物流面を考えると、日本に近い地域でなければならない」とした。

