アラバマ州知事ケイ・アイビーは、監査により車両紛失と資金不正使用が発覚したことを受け、国際モータースポーツ殿堂(IMHOF)委員会の委員18名全員を解任した。博物館は引き続き監視下に置かれており、既に新たな委員会が任命されている。
IMHOFは1983年に設立され、歴史的なNASCARレースカーやその他の有名な車両が展示されている。 2005年に創設されたFIAの殿堂とは異なるモノだが、殿堂入りした人々の国籍は様々であり、アメリカのモータースポーツ以外で活躍していた人々も含まれている。
しかし、10月の監査で35件もの違反が見つかった。そのうち、元従業員に関連する20万ドル(約3000万円)を超える資金の「不正使用」については、現在司法長官事務所が捜査中だ。なお現時点では刑事告訴は行なわれていない。
これとは無関係な問題も数多く発生しており、寄付された2台の車両、1969年式ダッジ・チャージャー・デイトナと2001年式ポンティアック・ファイアーバード・ファイアホーク10周年記念コンバーチブルが行方不明になっていると報告されている。
除名された職員の中には、博物館の理事長を務め、40年以上同博物館に勤務していたジェラルド・ダイアルも含まれていた。また監査によると、2024年初頭までIMHOFの事務局長を務めていたマイク・ライタは、1968年式カマロ・コンバーチブル・ペースカーの修理費用が1万5000ドル(約235万円)を超えた直後に、1万5000ドルで車両を購入。彼の妻も、委員会から1000ドル(約15万円)で1998年式F-150を購入しているという。
監査中に発見された35件の違反事項には、管理の不手際から、委員会メンバーへの不正入金、ギフトショップの売上に対する納税違反、行政命令の規定が遵守されていないなどの項目が含まれており、委員会がまともに機能せず、不正の温床になっていた様子がうかがえる。

