『WORLD TAG LEAGUE 2025』東京・後楽園ホール(2025年11月20日)
Aブロック公式戦 ○&タイチvs後藤洋央紀&YOSHI-HASHI×
タイチ&小島がタッグリーグ初戦で2年ぶり4度目のVを目指す毘沙門狩り。タイチはIWGPヘビー級&三冠ヘビー級王座を同時戴冠した“アントキの小島"復活を熱望した。
タイチ&小島は2011年に小島軍(仮)として共闘していたものの、タイチが裏切って鈴木軍入り。その後は対立関係にあったが、8・14後楽園大会で14年ぶりに合体すると、互いに歩み寄りを見せて信頼関係を築き、タッグリーグにエントリーした。開幕戦のセミファイナルでは、過去3連覇の偉業を成し遂げ、2年ぶり4度目の優勝を狙っている“毘沙門"後藤&YOSHI-HASHIと対決。試合は実績で勝る毘沙門ペースでスタートした。
連係で毘沙門が先制。流れるような連続攻撃で小島を排除すると、YOSHI-HASHIがスキを突いてタイチの左足に低空ドロップキックを発射した。前夜のHOUSE OF TORTURE興行で左足を攻め込まれていたタイチはうめき声を上げて倒れ込む。毘沙門はそれを見逃さずに、代わる代わるにタイチに猛攻を浴びせた。
タイチはロープを掴んだ状態から右足でジャンピングハイキックを後藤に放ち、なんとか反撃に成功。パートナーのピンチをフォローしようと小島が奮闘を見せる。後藤にマシンガン逆水平、「いっちゃうぞ、バカヤロー!」からのダイビングエルボードロップを浴びせると、その後も奮戦。YOSHI-HASHIが相手になってもコジコジカッターを繰り出し、いい場面でタイチにスイッチした。
タイチはYOSHI-HASHIの顔面をステップキックで蹴り上げ、各種袈裟斬りチョップもぶち込む。しかし、ヒザを蹴られると苦もん。天翔十字鳳も放てない。YOSHI-HASHIは消灯の体勢からドラゴンスクリューを繰り出し、変型裏足4の字固めでギブアップを迫った。小島のカットが間に合うが、YOSHI-HASHIがコードブレイカーで排除すると、タイチには激烈一閃で追い討ちする。
毘沙門はしつこく消灯の体勢に。ここでも小島が献身的に飛び込み、ショートレンジでYOSHI-HASHIに延髄ラリアットを叩き込んだ。さらに、後藤にはタイチとのサンドイッチラリアットをズバリ。小島がタイチにゲキを飛ばす。引かないYOSHI-HASHIは同士討ちを誘い、カルマを狙ったものの、タイチは垂直落下式ブレーンバスターで譲らず。ブラックメフィストはYOSHI-HASHIの抵抗を受けるが、小島がこん身のラリアットで援護射撃。今度こそタイチがブラックメフィストを決めて、YOSHI-HASHIから3カウントを奪った。
タイチ&小島が毘沙門狩りで白星発進。試合後は笑顔で握手を交わして抱擁し、喜びを爆発させた。
バックステージで、小島は「今ここで堂々と言わせてもらう。必ず優勝するぞ! タイチと小島、二人の年齢合わせてちょうど100だよ。チーム100(ワンハンドレッド)、必ず優勝してやるから楽しみにしとけ。いっちゃうぞ、バカヤロー!」と堂々の優勝宣言。そんな小島を称えたタイチは「あの時の小島聡を取り戻してください」と呼びかけた。
“あの時"とは2005年2月20日の両国国技館大会で行われた「小島vs天山広吉」の三冠ヘビー級&IWGPヘビー級ダブルタイトルマッチを指す。この試合で小島は59分45秒、脱水症状を起こした天山にKO勝ちで勝利し、同時にメジャー団体のベルトを腰に巻く偉業を成し遂げた。
その姿を全日本側のセコンドとして見ていたというタイチは「あの時の小島聡を出してくださいよ、あん時の」と熱望。小島も「アントキの。よし!」と気持ちをあらたに。足の状態に不安が残るタイチだったが「どうせ全敗だと思ったんだろう? お前ら。どうせ、あっても1勝だと思ったんだろう? 俺もそう思ってたよ。だけどな、どうなるか分からねぇのがプロレスだ。俺らタイチ&小島、たった半年のクソみてぇな絆がどうなるか分かんねぇぞ」と優勝に色気。日本プロレス界の頂点に立っていた小島を呼び起こし、タッグリーグでも頂点を狙う。
【試合後のタイチ&小島】
▼小島「プロレスは勝ち負けじゃねぇっていろんな人に言われたよ。そして俺もその考えにハッキリ言って共鳴していた部分がある。だけど、34年間やって分かったことは勝たなきゃ先に進めないんだ。どんないい試合しても、そこで勝ってなければ次の発言の権利はないんだ。だから今ここで堂々と言わせてもらう。必ず優勝するぞ! タイチと小島、二人の年齢合わせてちょうど100だよ。チーム100(ワンハンドレッド)、必ず優勝してやるから楽しみにしとけ。いっちゃうぞ、バカヤロー、オイ!」
▼タイチ「すいません」
▼小島「(※再びコメントスペースにやって来て)いや凄い良かった。ありがとう」
▼タイチ「試合前、始まる前は俺、小島さんのことをいろいろ言ったけど、ちょっと俺の方がもしかしたら足引っ張ってるかもしんない」
▼小島「んなことない。全然。俺ずっと、タイチのこと昔から知ってっから。本当凄ぇよ。ありがとうございました、本当に」
▼タイチ「助けられました、本当に」
▼小島「本当ありがとう」
▼タイチ「ゴチャゴチャ言いましたけど、少しでも分かってくれたんだったら」
▼小島「えっ! もういいの? もう仲良くしてくれんの、これで? 早っ! 嬉しい」
▼タイチ「今日は」
▼小島「あっ、今日は?」
▼タイチ「今日は結果が出たんで」
▼小島「そうか」
▼タイチ「ゴチャゴチャ言い過ぎだっつうね」
▼小島「また明日から」
▼タイチ「15年経って一つ、たったの半年やったかやってねぇか、絆もへったくれもない二人が、タッグリーグ3連覇もしてるし、何回もベルトを巻いている二人に、たった半年のクソみたいな絆で勝つこともできるんですよ」
▼小島「クソみたいな絆で」
▼タイチ「クソみたいな、黒歴史のクソみてぇな」
▼小島「そこまで言うのか!(笑)」
▼タイチ「プロレス界史上一番クソなユニットだ」
▼小島「そこまでか!(笑) そんなに」
▼タイチ「それでも出るんすよ、結果が」
▼小島「そっか!」
▼タイチ「あの時の小島聡を取り戻してください」
▼小島「OK! あの時の小島」
▼タイチ「頂点を。俺、近くで見てたんですよ、天山vs小島、三冠&IWGP。セコンドについてたんですよ、あの時。あの時の小島聡を出してくださいよ、あん時の」
▼小島「あん時の」
▼タイチ「A小島で出てください」
▼小島「Aじゃないけど出る」
▼タイチ「アントキの小島で」
▼小島「アントキの。ヨシ! ありがとうございました」
▼タイチ「その気持ちあれば今後結果が出ます」
▼小島「ありがとう!」
▼タイチ「優勝しましょうよ」
▼小島「優勝行こう。絶対優勝してやっから。いろんなヤツ見返してやるよ。OK! (※と言って先に退出)」
▼タイチ「これはこれで小島さんと結果出して、そしてトモさんのことはしっかり待つから。俺が不甲斐なかったらトモさんも帰ってこれねぇだろう。もうタイチとやんねぇって思うだろう。しっかりあの人が帰って来る場所を守りながら、小島さんと結果出して行くから。どうせ全敗だと思ったんだろう、お前ら。どうせあっても1勝だと思ったんだろう。俺もそう思ってたよ。だけどな、どうなるか分からねぇのがプロレスだ。俺らタイチ&小島、たった半年のクソみてぇな絆がどうなるか分かんねぇぞ。楽しみにしとけよ。結果出したからな。今日は俺が足引っ張ったよ。まぁなんとか次までは元に戻せるように、俺も専念します。今後もよろしくどうぞ。ありがとうございました、今日は。どうも」
【YOSHI-HASHIの話】「まぁ初戦負けたかもしんねぇけどな、ただ今日の敗戦も終わってみたら俺たち毘沙門が優勝するための単なる布石だ。いいか、今日はただの布石。俺たちの4度目の優勝の足がかりに過ぎねぇんだ。いいか、まだ始まったばっか。最後、あの優勝トロフィーを持ってるのは俺たち毘沙門だ。見とけよ」
※後藤はノーコメント

