F1ラスベガスGPが11月20日(日本時間21日)から開幕するが、雨によって非常に難しいプラクティスになる可能性があり、ドライバーも懸念を示している。
ラスベガスを含むクラーク地域ではここ数日、集中豪雨に見舞われており、18日(火)には国立気象局が洪水警報を発していた。
その結果、ラスベガス周辺の一部の道路が冠水。幸い、全長6.2kmのストリートサーキット自体に影響はなかった。つまりレースができないという危機を煽る報道は的はずれなモノだが、初日となる20日(木)が雨によりドライバーにとって厳しいセッションになる可能性は残っている。
最も降雨リスクが高いのは初日のFP2。FIA公式の気象サービスではこのときの降水確率は40%と予測されている。一方でFP3と予選は降水確率も20%に低まり、土曜日(日本時間日曜日)のナイトレースはドライコンディションが続くと予想されている。
この市街地サーキットは、ドライコンディションでさえ“アイスリンク”となることが知られている。そこに初めてのウエットコンディションが重なれば、ドライバーとしては歓迎できないものになってくる。
「間違いなく、とてもスパイシーなセッションになるでしょう」
ウエットコンディションとなった場合について訊かれた角田裕毅(レッドブル)はそう語った。
「全ドライバーがまだここを(ウェットで)走ったことがないので、誰がそのコンディションに素早く適応できるかは興味深いところだと思います」
「それから、とても寒いコンディションでのインターミディエイトタイヤとなった場合、タイヤウォーマーが以前ほどの温度がないので、熱入れだけでもとてもトリッキーになってくると思います」
現在ランキング首位のランド・ノリス(マクラーレン)は、インターミディエイトタイヤでマクラーレンが好調である傾向を踏まえつつも、木曜日(日本時間金曜日)のプラクティスは「厄介」になり得るとし、「とんでもないチャレンジ」になる可能性があると語った
「雨の中では非常に難しいトラックになるだろう。正直、かなり厄介だと思う」とノリスは語った。
「ものすごいチャレンジになる。当然、ミスが許される余地はほとんどない。ストリートサーキットとしても非常にトリッキーかつ高速なんだ」
「白線や各種ペイントは、クルマに乗っていると本当に恐ろしいコトになる。路面がすぐ乾かないような気温で、ウェットのままになったら、とんでもないチャレンジになるだろう。どちらの状況も楽しみではあるけど、できればドライがいいね」
ラスベガスのコースは長い直線と90度コーナーが連続していて、ドライバーにとってはタイヤに熱を入れることが難しいコースとなっている。
さらに今年の気温は10度と、平年よりも数度低いモノとなる予報が出されている。つまり2024年に圧倒的な強さを示したメルセデスのように、タイヤを適切な動作ウインドウに入れ、それを維持できるドライバーとチームが主導権を握ることになると考えられる。
フェラーリのルイス・ハミルトンは、ラスベガスGPの挑戦に向けて次のように語った。
「ここはおそらく僕らが走る中でも、最も滑りやすいトラックだ」
ハミルトンはそう語る。
「過去数年のグリップから考えると、こうした寒いコンディションでタイヤを機能させるのはかなり難しかった」
「言うまでもなく、タイヤはとても動作ウインドウが狭くて、インターミディエイトやウエット路面では、さらに状況が悪化してくる。でも、僕はそういう状況に直面したなら、喜んで挑戦するよ」

