裏切られた者の怨みを甘く見ない方がいい

罪を償ってもらう(写真:iStock)
「私は、泣き寝入りする妻ではありません。娘が完全に自立するまで待ちます。その時が『Xデー』。夫に証拠と離婚届を突きつけ、すべての罪を精算させます。絵里さんにも必ず償いをさせる。ここまで裏切られたんです。許す理由なんて、どこにもありません」
復讐心だけで歩んできたと語る亜紀さん。しかし、現在大学に通う娘の話になると表情がふっと緩む。
「娘は勉強熱心で、『将来は海外を飛び回る仕事がしたい』と語学とITに夢中です。娘を不幸にしてしまうかもしれませんが…夫と絵里さんだけは絶対に許しません。精神が歪んでいると思われても構いません。
裏切られた者の怨みを甘く見ない方がいい。長年積もった怒りを晴らすその瞬間こそ、私の人生で一番の笑顔になると思っています」
静かに、しかし確実に燃え続けるサレ妻の炎。
そのXデーが訪れたとき──夫と絵里さんはどれほどの代償を払うのだろうか。
そして、罪のない娘たちの未来は……。
反撃の時は、もうすぐそこまで迫っている。
(蒼井凜花/作家・コラムニスト)
