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高卒・工場勤務7年、偏差値40以下・TOEIC440点の私が英語教室を立ち上げ、成功できた理由。

高卒・工場勤務7年、偏差値40以下・TOEIC440点の私が英語教室を立ち上げ、成功できた理由。

“最悪の結末”と“最高の結末”を考えると怖くなくなる

── 普通なら諦めてしまいそうな状況ですが、なぜ前に進み続けられたのですか?

コネもない、お金もない、学歴もない。私自身も成功する確信はゼロでした。それでも起業資金として銀行から140万円を借りることができ、それで英語教室の立ち上げ準備に入ったんです。

私の英語力はどう頑張ってもネイティブには及ばないので、私自身はマネジメントに専念し、ネイティブの先生を1名雇いました。

教室はテーブルとホワイトボードのみのシンプルな仕様にして、借りた資金で先生へのお給料を支払っていました。

開業前の数日で約2,000枚のチラシを近所にポスティングしましたが、開業初日、生徒さんはゼロ。もちろん大赤字です。

── 想像しただけで震えてしまいそうです……!

でもこういう考え方をしていたんです。「もしこの挑戦がダメだったとして、“最悪の結末”はなんやろ?」と。

当時の私は30歳。もしお腹が空いてたまらなくなったら、コンビニで「賞味期限切れのお弁当をください」と言えばもらえるチャンスはあるんじゃないか。借金を抱えたとしても、実家に帰れば寝床はある。

こんな風に考えておくと、「ああ、意外とそんなもんなんや」って怖さが消えるんです。

それに加えて、“最高の結末”を考えるとモチベーションが上がりました。

私の場合は、仮に結婚して子どもを授かったとき、育児をしながらもキャリアを諦めずに済む教室をつくることでした。出産や育児でキャリアが途切れるのではなく、両立できるはたらき方を普通にしたい。私自身がまず、それを実現したかったんです。

そしてその結末は今、叶っています。

高卒・工場勤務7年、偏差値40以下・TOEIC440点の私が英語教室を立ち上げ、成功できた理由。
自社で開発した教材を、展示会に出展した際の写真

── 大赤字の状態から、どのようにして“最高の結末”を叶えたのでしょうか?

当時は貧乏性かつ本当にお金がなかったので、営業後に数カ月かけて、一人で4万枚以上チラシを配りました。「やっぱり向いてへんのちゃうか」と落ち込んだ日もあります。

でも、保護者の方に安心してもらえるよう「レッスン1時間前までキャンセルOK」などのシステムをつくったところ、生徒さんが入会してくださって。

オーストラリアでの経験から英語は「使ってなんぼ」「話せるようにならないと意味がない」と実感していたので、オールイングリッシュで丁寧に指導しました。

受験重視の社会に流されない、本物の英語教育がしたい。その思いに共感してくださった保護者の方から口コミが広まり、生徒数が増えていったんです。

── 現在、常時約150名の生徒さんを抱え、平均継続年数6年以上だそうですね。

教室が成長していくなかで、1日の平均勤務時間を6時間、年間休日145日にして、スタッフがプライベートと仕事を両立できる環境にしました。

海外で「入社1カ月後に3週間休暇を取った」という話を聞いたりして、日本の常識は当たり前ではないんだと気付いたんです。1日8時間勤務というのは、実は法律で決まっているわけじゃないんですよね。

その結果、スタッフの定着率が高い教室になった。同じスタッフがずっといる安心感も、保護者や生徒さんにとっては大きいのだと思います。

ブレずに地道に続けてきたことが、今につながっていると思います。

高卒・工場勤務7年、偏差値40以下・TOEIC440点の私が英語教室を立ち上げ、成功できた理由。

── 最後に、スタジオパーソルの読者である“はたらく若者”へ、「はたらく」をもっと自分らしく、楽しくするためのアドバイスをお願いします。

自分らしさって、探しに行くものではないと私は思うんです。「自分らしい」という言葉は、人と自分を比べるから存在するわけで、私は誰とも比べていないので使ったことがないんですよね。

情報があふれているから、理想を求めすぎて、思い通りにならないとがっかりしてしまうんだと思うんです。だから意外と、今の自分のままでいいんじゃないかな。日常の中で「ああ、これいいかも」と思うものを大切にすればいい。

でも、もしやってみたいことがあるのなら、「何躊躇してんの?時間もったいないやん、とにかくやってみたらええやん!」と伝えたいですね。実際に動いて、体験して、人と会って。答えはネットの世界じゃなく、外にあります。他人は思っているほど自分のことを見ていないから、もっと気楽に、やりたいことをやっていいんです。

私の座右の銘に、「武器は拾いながら歩く」というものがあります。ドラクエに例えると、レベルを上げてから旅に出るのではなく、とっとと旅に出てしまうんですね。そうやって行動を起こすと、実力が上がるのも早いんです。

若いからこそ、なんでもできるはずです。

(取材・文:原由希奈 写真提供:久山絵里さん)

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