現地時間11月19日(日本時間20日)、オクラホマシティ・サンダーは、ホームのペイコム・センターでサクラメント・キングスを113-99で下し、今季2度目の7連勝を飾った。
この試合では、シェイ・ギルジャス・アレキサンダー(SGA)がゲームハイの33得点に8リバウンド、2スティール、チェット・ホルムグレンが21得点、7リバウンド、3ブロック、4本の3ポイントを沈めたルージェンツ・ドートが14得点、エイジェイ・ミッチェルが13得点、6アシスト、2スティール、ケイソン・ウォーレスが12得点を記録。
ディフェンディング・チャンピオンとして迎えた今季。サンダーは開幕から2戦連続でダブルオーバータイムの激闘を勝ち切り、8連勝と好スタートを切った。9戦目のポートランド・トレイルブレイザーズ戦こそ2点差で落とすも、そこから再び連勝街道を驀進。この7連勝の期間はいずれも2桁点差で勝利し、平均20.3点差をつけている。
過去30シーズンに前年王者が開幕16試合で残した戦績で、今季のサンダーは2001-02シーズンのロサンゼルス・レイカーズ、1996-97シーズンのシカゴ・ブルズと並ぶ15勝1敗を記録。これを上回るのは開幕24連勝を達成した2015-16シーズンのゴールデンステイト・ウォリアーズだけだ。
過去の3チームはいずれも最終的にファイナルまで進出しており、レイカーズとブルズがリーグ制覇している。
今季のサンダーはここまでオフェンシブ・レーティング(118.1)でリーグ5位、ディフェンシブ・レーティング(102.7)とネット・レーティング(+15.3)はいずれもリーグ1位と、攻守両面でトップレベルに立っている。
相手チームのフィールドゴール成功率(42.3%)、ターンオーバー平均誘発数(17.9本)でもリーグトップに立つサンダーだが、チーム全体の3ポイント成功率は34.3%で22位と、この部分は数少ない弱点のひとつと言っていい。
そのため、相手チームはゾーンディフェンスを敷いてペイントエリアを固め、失点を防ぐ手段をとることもある。しかし、昨季プレーオフのカンファレンス・セミファイナルでデンバー・ナゲッツと対峙したことが、大きな経験値となっているようだ。
キングス戦後の会見で、SGAは次のように語った。
「特にデンバーとのシリーズで、(相手が)ゾーンディフェンスを多用していた。僕らはシーズン終盤に相手がゾーンディフェンスを使ってくるのを目の当たりにしてきた。だから当然、その部分で成長せざるを得なかった。
でもそのおかげで確実に前進し、良いチームになったんだ。これ(ゾーンへの対応)は僕らが日々フォーカスして取り組み、改善しようとしている部分なのは確かだね」 サンダーは、キングス戦で3ポイント成功率26.3%(10/38)に終わるも、肝心の最終クォーターでは44.4%(4/9)と高確率で決め切った。その時間帯に3本の3ポイントをノーミスで沈めたドートはこう話す。
「僕らは常に落ち着き、自信を持ってプレーできている。それは多くの選手たちのおかげで、大きなことなんだ。試合を重ねていくたびに、自信に満ちていて、恐れ知らずのチームになっている。試合前のロッカールームでは、それがみんなの眼に表われているよ」
昨季の優勝で自信を深めた王者は、今季も優勝候補筆頭との評判にふさわしい戦いぶりでリーグトップを快走。
しかも、昨季平均21.6点、5.3リバウンド、5.1アシスト、1.61スティールを残したチームNo.2のジェイレン・ウィリアムズは手首の手術明け、フォワードのケンリッチ・ウィリアムズもヒザの手術を受けた影響で1試合も出場できていないため、彼らの復帰によってさらに戦力は増す。
歴史的ペースで白星を量産しているサンダー。プレーオフで苦戦したゾーンディフェンスへの対策も練っていることは、他チームにとって脅威でしかないだろう。
文●秋山裕之(フリーライター)
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