鈴鹿サーキットで行なわれるスーパーフォーミュラ最終ラウンド。タイトル争いを繰り広げるドライバーたちの中で、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)はトップと23.5ポイント差のランキング4番手と余裕のあるポジションではないが、それでも逆転王座に向けて追い風が吹いている。
第2戦鈴鹿、第3戦もてぎで連勝を飾り、第4戦もてぎでも2位に入った牧野は、今季序盤戦は間違いなくシリーズ争いの主役であった。しかしそれ以降は表彰台から遠ざかるレースが続いた。7月の富士ラウンドでは、セットアップで何をしても好転しないこと、そしてグリップ感が得られないことを訴えており、10位に終わった8月のSUGOラウンドでも「一層深い闇に入っている」「結構キツい」とネガティブな言葉が並んだ。
しかし10月の富士ラウンドでは第9戦で4位に入ると、第10戦ではポールポジションを獲得。決勝レースは悪天候で延期になったが、明らかに復調している様子だった。
牧野によると、チームはSUGO戦から富士戦までの約2ヵ月のインターバルで、モノコック新調を含めて車両をほぼ一新していたことを明かした。これが好調の要因になっているようだ。
「本当にクルマは全部変わっています。富士の前に、モノコックから何から全部変えてもらいました」
牧野はそう語る。
「苦戦していた原因が分かっていなかったのですが、吉田(則光)監督も『このままだとスッキリしないな』と言ってくれて。メカさんたちはスーパーGTの仕事もある中で大変だったと思いますが、クルマを変えてくれた結果、富士でポールポジションをとることができました」
「(新しい車両は)変な感じは全然ないし、グリップ感もあるし、セットアップを変えるとしっかり変化を感じられます」
「全部取っ替え引っ替えしているので、具体的に何が原因だったのかは分かりませんが、フィーリングが良くなったというのは間違いないので、変えてもらって良かったと思います」
そして牧野にとって追い風となっていることがもうひとつ。天候不良で中止となった第10戦は今回の鈴鹿戦の日曜日に代替開催されるが、そのスターティンググリッドは富士で行なわれた予選結果が採用される。つまり牧野はポールポジションからスタートできる。しかもレースは19周、タイヤ交換義務なしのスプリント。スタートを決めて逃げ切れば、20点を追加できるという状況だ。
「もちろん、ここに関しては僕にとってはかなりメリットになると思います」と話す牧野。金曜はFP1でトップ、FP2で6番手と好発進を見せたが、土曜以降に向けて次のように意気込んだ。
「まずは明日の予選2回(土曜日の第11戦・第12戦予選)が大事になってくると思います。僕は完全に追いかける立場で、去年のチャンピオン争いともまた違った心境ですが、本当にやるだけだと思っています。変な気負いもないし、普段通りというか。やりきったなって思える週末にするため、明日に向けてしっかり準備して臨めたらなと思います」
■鈴鹿マイスター太田も自信あり
そんな牧野のチームメイトである太田格之進は、ランキングトップの坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)と14.5ポイント差の3番手(2番手岩佐歩夢/TEAM MUGENとは同ポイント)で、こちらもタイトルコンテンダーだ。太田はFP1で4番手、FP2で5番手とまずまずのポジションだったが、初日を振り返り「悪くないと思いますし、明日はまとめるだけかなと」とどこか余裕を感じさせるコメントを残した。それもこれも、“鈴鹿マイスター”としての余裕か。
太田は2023年の最終戦鈴鹿でスーパーフォーミュラ初優勝を飾ると、翌2024年も鈴鹿での最終2レースを連勝。今季開幕戦でも勝利を飾っており、参戦3年目にして既に鈴鹿で4勝を記録している。
太田は次のように自信をのぞかせた。
「過去2年間と比べてもかなりフィーリングは良いです。いつもは『ぼちぼちだな』と言いながら結局勝ててるので。今日良い感じなら、明日以降は例年以上のパフォーマンスを出せる可能性もあるなと思っています」

