
今回の研究を指導したスヴェトラナ・ボリスキナ博士は研究誌ネイチャー・コミュニケーションズにこう記している。
「水を非常に効率的に捕集する材料は、その水を離そうとしません」
「材料から水を抽出するには、膨大なエネルギーと貴重な時間を費やす必要がある」
そしてMITの研究チームによる解決策は、高周波超音波アクチュエーターで水分を振動させて解放する技術で、筆頭著者イクラ・シュボ氏はこう説明する。
「超音波でこれらの結合を精密に切断できます。水分子が波と踊るようなものです」
実験では、この装置が完全に飽和した吸着剤サンプルを数分で乾燥、太陽光駆動システムよりも最大45倍高速の結果となった。さらに同システムは小型太陽電池で駆動可能、材料の飽和状態を検知し振動サイクルを自動起動する。
この技術を用いて、家庭用またはコミュニティ規模の装置(窓パネル程度の大きさ)に高速吸収吸着剤を組み合わせ、一日を通して迅速なサイクルを繰り返すことで、大量の飲料水を生成できる仕組みだ。
ボリスキナ博士はこう話す。
「特に淡水が全く存在しない地域において、人々は大気から水を採取する方法を模索してきました」
「そして現在、迅速かつ効率的に水を回収する方法を手にしたのです」
