F1第22戦ラスベガスGPのフリー走行3回目は、メルセデスのジョージ・ラッセルがトップとなった。
FP2が赤旗の影響もあった消化不良のセッションとなった今回の週末。各チーム、FP3でロングランや予選シミュレーションも含め、やりたいことが山積みのセッションとなった。
気温13度、路面温度14度というコンディションで60分のセッションがスタート。マクラーレンのオスカー・ピアストリが真っ先にコースインしたが、セッションの数時間前に雨が降ったこともあって、インターミディエイトタイヤを履いた。
コース上の台数も徐々に増えていくが、路面のウエットパッチも多くスリックタイヤでの走行は難しい状況。しかしインターミディエイトタイヤに適しているほど路面が濡れているわけでもなく、各車が走行を重ねながらコンディションの改善を待った。
路面が乾いていくにつれて、ラップタイムもじわじわ上がっていき、フェラーリのルイス・ハミルトンが1分42秒809を記録。一方、レッドブルの角田裕毅はマシンに問題があるとして、ピットに呼び戻されてしまった。ガレージに収まった角田のマシンは、すぐにエンジンカウルが外されていた。
セッション折り返しを前に、マクラーレンのランド・ノリスがソフトタイヤでコースイン。このセッションで最初にスリックタイヤを履いたドライバーとなった。
これを見て、フェラーリ勢やピアストリもソフトタイヤでコースイン。角田もこのタイミングで走行に復帰することができた。
最初にハミルトンがインターミディエイトタイヤで記録していたトップタイムを上回ったのは角田で、1分42秒499。ただコンディションは一気に良くなっているのか、ドライバーたちがコンディションを掴んだのか、その後はタイム更新が相次いだ。
フェラーリ勢やレッドブル勢が幾度もトップタイムを塗り替え、残り10分を切ったところで首位はレッドブルのマックス・フェルスタッペン。1分35秒646を記録した。
終盤には、2セット目のソフトタイヤを投入するマシンも出始め、残り5分を切って予選のようなアタック合戦が繰り広げられた。
最終的にトップタイムを記録したのはラッセル。1分34秒054を記録したが、このタイムはFP2最速タイムから0.4秒落ち。コンディションが良くなれば、予選はもっと高い次元でのポールポジション争いとなるはずだ。
2番手フェルスタッペンは、トラフィックに遭って濡れたラインを走ったことによりコースオフし、無線で怒るシーンもあったが、ポール争いの有力候補であることは間違いなさそうだ。
3番手はウイリアムズのアレクサンダー・アルボン。4番手にはレーシングブルズのアイザック・ハジャーが続いた。
アタックのタイミングが噛み合わなかったのは角田。2セット目のソフトタイヤでは、2度のアタックがどちらも黄旗の影響で不発に終わったことからこの順位となったが、セッション中盤から順調な走りを見せていた。
一方、不気味なのはマクラーレン。2セットのソフトタイヤを使いながら、一足先に走行を切り上げたためピアストリが19番手、ノリスが20番手。他のマシンがセッション終了後にスタート練習を行なう中、ガレージでマシンをジャッキアップしていたのは、急いでマシンをアジャストする必要があったのか、それとも余裕の現れなのか。
いずれにしても、FP3ではコンディションの違いもあり、各車FP2ほどマシンのポテンシャルを使い切れたわけではなさそうだ。決勝に向けたロングランがほぼできていない事も含め、未知数の多い状態で予選・決勝を迎えることになる。

