JRA秋のGIはスプリンターズS(ウインカーネリアン)⇒秋華賞(エンブロイダリー)⇒菊花賞(エネルジコ)⇒天皇賞・秋(マスカレードボール)⇒エリザベス女王杯(レガレイラ)と、関東馬が5連勝中だ。今、関東馬に追い風が吹いていることは間違いない。
ただしトータルで見ると、関西馬が優勢だ。先週終了時点で3071レースが行われたが、関東馬の1308勝対し関西馬は1768勝(1着同着レースあり)。一時期よりは改善したとはいえ、相変わらず関西馬が強い。馬券で勝つためにも、これは覚えておきたい。
今週はマイルチャンピオンシップ(GI、京都・芝1600メートル)が行われるが、こちらは関西馬が3連勝中だ。それも前走で富士Sを使った馬が勝利している。今年、それに当てはまるのは6頭。当然ながら、1着ガイアフォース、2着ジャンタルマンタル、3着ソウルラッシュに人気は集まる。
その3頭では、去年のマイルCSで2着馬に2馬身半差をつけて勝ったしたソウルラッシュを推したい。富士Sでは3着に終わったが、骨折明けで59キロを背負ってのものだった。その後、放牧を挟んで調整され、気配は確実に上向いている。
そしてなにより強調できるのは、絶好調のC・デムーロが騎乗することだ。3走前のドバイターフ(GI)でコンビを組み、あのロマンチックウォリアーを負かしている。これほど頼りになる助っ人はいないだろう。
最大のライバルは、マイルGIを3勝しているジャンタルマンタル。このコースは2戦2勝と、得意としている。スッと好位を取れて、立ち回りがうまい。休み明けの富士Sは余裕残しの作りだったためガイアフォースを捕まえることができなかったが、馬体が引き締まった今回は、前走以上の走りを期待できる。力を出し切れれば、首位争いは必至だ。
関東馬は7頭が出走するが、最も期待を持っているのは、ルメール騎乗のアスコリピチェーノ。大きな不利がありながら2着になったNHKマイルC(2024年5月)を見る限り、勝ったジャンタルマンタルとの力差はない。外回りの京都コースは、末脚勝負のこの馬に向いている。阪神JF(2023年12月)を勝った時と同じく栗東で調整を進めてきたのも、吉と出そうだ。
穴なら前走GⅡスワンSをレコード勝ちしたオフトレイル。ベストは1400メートルだが、この時ぐらい折り合えるなら、マイルでも大丈夫だろう。京都コースは3勝、2着3回、3着1回と、全て馬券圏内。馬体はデビュー時に比べて30キロ以上増え、すっかり逞しくなっている。
では、グッドラック!
(兜志郎/競馬ライター)

