鈴鹿サーキットで行なわれている2025年スーパーフォーミュラ最終ラウンド。レースウィーク土曜日の11月22日午前で第11戦・第12戦の予選が行なわれ、どちらも岩佐歩夢(TEAM MUGEN)がポールポジションを獲得した。
富士で開催予定だった第10戦の決勝がキャンセルとなったことで、その代替レースが組み込まれ、怒涛の週末3レースとなる今回の鈴鹿ラウンド。土曜朝から第11戦予選、第12戦予選が立て続けに行なわれた。なお日曜朝に行なわれる第10戦に関しては富士での予選結果が採用される。
■第11戦予選
関係者・ファンが早朝より鈴鹿に集う中、朝8時より第11戦の予選がスタート。天候は快晴、気温は13℃、路面温度は14℃だ。
10分間のQ1は、基本的にはいつも通り開始直後にインスタレーションラップを入れてピットイン→タイヤを交換してアタックに向かった。アタックラップに向けてはアウトラップ+ウォームアップラップ1周もしくは2周という流れだ。
Q1のA組はランキング2番手の岩佐が1分36秒693でトップ通過。佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)、福住仁嶺(Kids com Team KCMG)と続き、ランキング4番手の牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)も順当にQ2に駒を進めた。また今回がSFラストレースとなる大嶋和也(docomo business ROOKIE)も同組6番手でQ1を突破した。
続くB組のトップは、こちらもタイトルを争うランキング3番手の太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。フリー走行から好調なイゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)が2番手、野尻智紀(TEAM MUGEN)が3番手で、ポイントリーダーの坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)は4番手でQ1を通過した。また、小高一斗(KDDI TGMGP TGR-DC)が今季初のQ2進出を果たした一方、小出峻(San-Ei Gen with B-Max)はセクター1で最速をマークするもトラブルで失速し、Q1で姿を消した。
7分間のQ2は、10台のマシンがセッション開始と共にコースに向かった一方で、TEAM MUGENの岩佐、野尻は2分ほどピットボックスで待機してからコースイン。ライバル勢がいわゆる“アウト→ウォーム→ウォーム→プッシュ”のシークエンスをとった中で、MUGENだけウォームアップ1周でアタックに向かった。
作戦的中か、速かったのはMUGENだった。岩佐歩夢が1分36秒を切る1分35秒736でポールポジションを獲得、野尻も1分35秒945で続きフロントロウを確保した。NAKAJIMA RACINGのフラガ、佐藤を挟んで、太田が5番手、牧野が7番手、坪井が9番手。ポールの3点で坪井との差を11.5点に縮めた岩佐にとっては、逆転に向けて有利な状況となった。
■第12戦予選
フォーミュラ・リージョナルの予選を挟んで、10時05分からは第12戦の予選がスタート。Q1A組は引き続き岩佐が圧倒的に速く、2番手の牧野に0.456秒もの差をつけてトップ通過となった。3番手はフラガ、4番手はサッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)。サプライズとなったのは第11戦に続いてKDDI TGMGP TGR-DCで、野中誠太が5番手で初のQ2進出を果たした。
B組は太田、野尻が好タイムをマークして順当にQ2進出を確実なものとする中、佐藤が1分36秒244でトップ通過。第11戦の予選はトラブルに泣いた小出も上記3人に次ぐ4番手タイムでQ2に進んだ。また坪井もトヨタ勢トップとなる5番手でQ1突破は果たしたものの、上位勢とはややタイム差があり、Q2に向けて不安を残すような状況だった。
そしてポールポジションを決するQ2がスタート。アタックまでの流れは二手に分かれ、NAKAJIMA RACING勢ら5台は開始直後にコースを出て、2周じっくりウォームアップする構え。残る7台はしばらくピットで待機した後、ウォームアップ1周でアタックに行くことになった。第11戦の予選でMUGENの2台が採った戦略に、多くのチームが追随した形だ。
まずトップタイムをマークしたのは野尻。1分35秒973の好タイムだ。しかしその後ろからは岩佐がそれを上回るペースで周回しており、1分35秒901にタイム更新。これで2戦連続のポールポジションが決まった。2番手は野尻、3番手は佐藤だった。
その他、太田は4番手、牧野は5番手、坪井は7番手。いずれもトップ3を逃した。岩佐は坪井との点差を8.5点まで縮めることになり、さらに優位な状況となった。

