現地時間11月20日(日本時間21日)、フィラデルフィア・セブンティシクサーズは、敵地ファイサーブ・フォーラムに乗り込んでミルウォーキー・バックスと対戦した。
大黒柱のヤニス・アデトクンボをケガで欠くバックスに対し、シクサーズは第4クォーター残り5分41秒で7点のリードを手にする。しかし、ここから反撃を許して残り15.1秒でマイルズ・ターナーに3ポイントを決められ、2点ビハインドを背負う苦しい展開。
それでもタイリース・マキシーのフリースロー2本で同点に追いつき延長に持ち込むと、以降もマキシー、クエンティン・グライムズ、ジャスティン・エドワーズらの活躍により、最終スコア123-114で勝利した。
シクサーズはジョエル・エンビードが右ヒザに問題を抱えて6試合連続で欠場となるも、チーム最初の11得点を奪ったポール・ジョージが21得点に5リバウンド、2スティールを残したほか、グライムズが14得点、4アシスト、VJ・エッジコムが12得点、10リバウンドで勝利に貢献した。
そしてこの日、一際眩い輝きを放ったのが、今やチームのエースとなりつつあるマキシーだ。
コート上を疾走するスコアリングガードは、切れ味鋭いドライブやフローター、3ポイントをリズム良く決め続け、フィールドゴール成功率60.0%(18/30)、3ポイント成功率40.0%(6/15)、フリースロー成功率85.7%(12/14)を記録。キャリアハイの54得点に5リバウンド、9アシスト、3スティール、3ブロックと攻守両面で暴れ回った。
キャリア6年目のマキシーにとって、50得点超えは通算4度目で、2024年4月7日のサンアントニオ・スパーズ戦で記録した自己ベストの52得点を更新。54得点は、シェイ・ギルジャス・アレキサンダー(オクラホマシティ・サンダー)とニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)の55得点に次いで、今季リーグ2位のハイスコアだった。
さらに『Elias Sports Bureau』によると、シクサーズの選手で1試合に50得点&9アシスト以上を記録したのは、この日のマキシーと“伝説の巨人”ウィルト・チェンバレンのみ。
「ありがたいね。神に感謝している。100得点をあげたウィルトの仲間入りができるなら、文句なんて言えないよ」と謙遜したマキシーは、今季40得点以上を奪った3試合でいずれもチームを勝利へ導いている。 ここまで開幕から全15試合に出場し、リーグ2位の平均33.4点に4.7リバウンド、7.9アシスト、1.60スティールをマーク。平均出場時間は40.7分でリーグトップに立つ(2位は同じシクサーズのエッジコムで37.3分)。
そんなマキシーにとって、バックス戦でキャリアハイを更新できた要因のひとつは、後半に相手がゾーンディフェンスを多用したことだったようだ。
「あのおかげで、僕はオフェンスであまり動き回る必要がなかった。それで疲れを感じなかったんだと思う。ゾーンディフェンスのおかげで試合の流れが落ち着いて、身体への負担も軽くなったんだ。『僕は大丈夫。(コートに)残ってほしいなら、残ってもいいよ』って感じだった。コーチも僕を残してくれたから、最後まで戦い続けることができたんだ」
バックス戦でも両チーム最長の46分38秒プレーし、驚異的なパフォーマンスを見せたマキシー。25歳のガードにとって、出場時間は「あまり気にしていない。僕はただ勝ちたいだけ。勝つために長くプレーしなければならないなら、そうしていくだけ」と、牽引役としての気概を見せた。
シクサーズは現在9勝6敗(勝率60.0%)でイースタン・カンファレンス6位。ここからジョージが復調し、エンビードが戦列に戻れば、ますます厄介なチームになりそうだ。
文●秋山裕之(フリーライター)
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