セで真っ先に名が挙がるのは、やはり巨人・キャベッジ(28)だろう。
打率こそ2割6分7厘と下げ止まった感はあるものの、得点圏打率1割7分7厘は、堂々のリーグワースト。
岡本和真(29)に代わる主軸としては、いかにも力不足と言わざるをえない。
「甘い球をパカパカ打っていたのも最初だけ。特徴を知られて、攻め方を変えられてからは途端に打てなくなったからね。ただ、本人次第ではハマる可能性も大いにある。大きいのを打てるのは魅力だし、もう1年は我慢して使ってもいいんじゃないか」(野球評論家・伊原春樹氏)
次点に来るのは、同じく巨人・丸佳浩(36)。
勝負どころでの存在感は健在でも衰えは隠せず。12年連続で継続してきた2ケタ本塁打も、今季は6本と途絶えている。
「相変わらず技術はすごいし、頑張りも伝わるが、単純に太りすぎ。人にはそれぞれベスト体重ってものがあって、それを越えると動きが鈍ったり、ケガをしやすくもなるんだよ」(愛甲猛氏)
3人目は、村上宗隆(25)不在のヤクルトを、途中帰国でさらに死地へと追いやったサンタナ(33)だ。
今季は、J・オスナ(32)と同時に新たに結んだ3年契約の1年目。彼の復活が仮に見込めないようでは、新生・池山ヤクルトの再建プランに大幅な狂いが生じるのは間違いない。
「2人合計では総額28億円近くと金額も大きい。村上の移籍金が入るとはいえ、ヤクルト本社も、そこまで潤沢な資金があるわけではないからね」(前出・愛甲氏)
他方、パの筆頭は、昨季にも増して出場機会を減らしたソフトバンク・柳田悠岐(37)がトップ当選。
今季本塁打は昨季と同じく、たったの4本。昨オフの時点で年俸は1億円ダウンも、本塁打1本単価にして1億円超はやはり〝もらいすぎ感〟が否めない。
「ただ、日本シリーズに関して言えば、それまでの力感が抜けてタイミングも取れていた。来季が契約最終年。その後の現役続行にも意欲を見せているようだから、本人も目の色を変えてやるだろう」(前出・伊原氏)
一方、残る2人には、昨季との比較で成績的に物足りなかった日本ハム・万波中正(25)と楽天・辰己涼介(28)を選びたい。
前者は、1億6500万円と倍増以上の年俸に反して、打率低下&三振増。
後者も、昨季更改時点で1億円突破は確実も、成績は大きく下がっている。
「万波は横浜高の後輩だけに期待もしているが、スイングの引き出しがまだ少ない。トリプルスリーを目指せる能力を持つだけに、ヘンに染まらず新庄(剛志)に『俺を走らせろ』と食ってかかるぐらいの異端児であってほしいよね」
直属の後輩にそうアドバイスを送った愛甲氏だが、一方の辰己に対しては、呆れ顔。「この成績でメジャー?」と言ってのけるや、
「何をそんなに勘違いをしているのか、そういう選手は終わるのも早いと気づくべき。星野(仙一)さんぐらい厳しい人が監督だったら、全身金ピカで授賞式に出たりと、こんなにも増長せずに済んだのにね」
パのワーストナインを見渡せば、柳田をはじめ、中村、森ら本塁打1本あたりの単価が1億円以上という高額大砲が続出したが、DH部門も年俸5億円で5本塁打に終わったロッテ・ポランコ(34)で満場一致。
来季も契約の残る昨季の本塁打王を、サブロー新監督がいかに再生させるかも、注目したいところだ。

