マクラーレンのランド・ノリスは、F1ラスベガスGPの予選でポールポジション。タイトル争いに重要な終盤戦で、メキシコシティGPからスプリント予選も含めて4連続ポール獲得となった。
ラスベガスGPの予選は雨で難しいコンディションとなったが、ノリスはインターミディエイトタイヤを履いたQ3で驚きの速さを見せた。セクター1とセクター2だけで、予選2番手となったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)より0.9秒以上速いペースを見せたのだ。
セクター3で挙動を乱してしまったものの、貯金が大きかったこともあり、フェルスタッペンに0.323秒差をつけてポールポジションを獲得した。タイトル争い最大のライバルであるチームメイトのオスカー・ピアストリが、1.027秒差の5番手に沈んだこともあって、ノリスにとっては大満足の予選となった。
予選後、ノリスは楽だったように見えてそうではなかったと話し、自身のパフォーマンスについては控えめに語った。
「かなり過酷なコンディションだった。史上最悪のコンディションではなかったかもしれないし、もっと雨が降っていたこともある。でも正直言って、ドライタイヤで走っているような感覚なのに、とても滑りやすかったんだ」
「Q1とQ2では冷静にコントロールし、Q3では当然ながら少しリスクを取ったが、それが功を奏した。だからとても満足している」
ノリスは赤旗が振られなかったことに驚いたものの、彼自身とチームがQ3でリスクを冒した戦略、つまりコントロールラインを最後に通過することで路面コンディションの改善を最大限に活かそうとした作戦が成功したことを喜んだ。
「今日は本当に厳しい状況だったのに、中断がなかったのは意外だった。でも早い段階でピットを出て、ピットレーンの出口で少し長く待機したのは正解だったと思う。クリーンエアを確保し、前方のマシンから距離を置き、イエローフラッグをできるだけ回避してリスクを排除し、純粋にドライビングに集中するためだ」
「最後に追加で周回できたのは僕だけだったと思うけど、それが完璧に機能した。その選択には自信があったけど、きちんと実行する必要があった。つまり、バッテリーが対応できる状態か、タイヤの状態が良好か、そして追加の周回を確保できるか……これら全てが完璧に機能した。今日のような日は決して楽ではないが、全てが非常にうまくいった」
決勝レースの展望については、ロングランのデータ不足から実際のところどうなるか予測がつかないと彼は認めている。とはいえ、これはすべてのドライバーに共通している問題だ。
「僕は4周以上連続で走っていないと思うので、ロングランがどうなるかは全く見当がつかない。おそらくこれは全員に当てはまるだろう。ハードタイヤで走行したドライバーもほとんどいない。だから分からないんだ」
「ペースは昨年より強力だし、好調だ。だから優勝争いをしたいけど、マックスとカルロス(サインツJr./ウイリアムズ)も全力で挑んでくるだろう」
「つまり、様々な展開が予想される長いレースになる。ドライコンディションなら全員にとって少し楽になるが、現時点で最良のポジションにいるので満足している」
ノリスは、逆転タイトル獲得を狙うフェルスタッペンがスタート直後から仕掛けてくるだろうと警戒している。
「本当に楽しみだ。彼は速い。もし彼にそれ以外のことを期待するなら、彼の能力を理解していないということだ。実際、レース全体を通じて戦いになるだろう」
「だけど同時に僕は勝つためにここにいる。安全策を取るためじゃない。ただ明日勝ちたいだけだ。だから再び全力を尽くすつもりだ。いずれにせよ、一歩一歩だ。良いスタート、良い一周目が大事だ」

