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2大会続いた「イタリアのいないワールドカップ」を繰り返さないために――「油断は禁物」国内では「慎重な楽観論」が支配的【現地発コラム】

2大会続いた「イタリアのいないワールドカップ」を繰り返さないために――「油断は禁物」国内では「慎重な楽観論」が支配的【現地発コラム】

11月20日に北中米ワールドカップ欧州予選プレーオフの抽選会が行なわれ、3大会(12年)ぶりのW杯本大会出場を目指すイタリアは、4つあるパス(トーナメントグループ)のうちパスAに入り、3月26日の準決勝で北アイルランド、それに勝った場合は3月31日の決勝でボスニア対ウェールズの勝者と対戦することが決まった。
 
 組み合わせは以下の通り。試合は左側がホーム開催となる。

<パスA>
準決勝①:イタリア vs 北アイルランド
準決勝②:ウェールズ vs ボスニア・ヘルツェゴビナ
決勝:②の勝者 vs ①の勝者

<パスB>
準決勝①:ウクライナ vs スウェーデン
準決勝②:ポーランド vs アルバニア
決勝:①の勝者 vs ②の勝者

<パスC>
準決勝①:トルコ vs ルーマニア
準決勝②:スロバキア vs コソボ
決勝:②の勝者 vs ①の勝者

<パスD>
準決勝①:デンマーク vs 北マケドニア
準決勝②:チェコ vs アイルランド
決勝:②の勝者 vs ①の勝者

 それぞれのパスでは、準決勝①のホームチームが抽選時のポット1(シード)だったが、勝ち上がった場合に決勝をホームで戦えるのはパスBのウクライナのみで、残るイタリア、トルコ、デンマークは、アウェーで決勝を戦うことになる。

 イタリア国内ではプレーオフ抽選を前にして、前々回の18年ロシア大会予選プレーオフで対戦して敗れた相手であり、ポット4に入った4チーム(スウェーデン、ルーマニア、北マケドニア、北アイルランド)の中では最も難敵と見られていたスウェーデンを引き当てることを危惧する声が多かった。しかしそのスウェーデンはパスBに回り、ウクライナとの対戦が決まっている。

  そのスウェーデンは現在FIFAランキング43位。前線にアレクサンデル・イサク(リバプール)、ヴィクトル・ヨケレス(アーセナル)というトップレベルのストライカーを2人も擁するにもかかわらず、今予選ではスイス、コソボ、スロベニアと同居するグループBで1勝もできず(2分け4敗)最下位に終わっていた。にもかかわらずプレーオフ出場権を得たのは、昨シーズンのUEFAネーションズリーグ・リーグCのグループ1で首位となり出場資格を満たしたため。
 
 11月には、ヨン・ダール・トマソン監督を成績不振で解任し、ブライトン、チェルシーなどを率いたイングランド人グレアム・ポッターを後任に迎えて立て直しを図っている。客観的に見てポテンシャルは高いが、直近の戦いぶりを見る限り、チームとしてのアイデンティティーを見失っている状態であり、監督交代後もその困難からは脱し切れていないように見える。ウクライナ、そしてもし勝った場合にはおそらく当たるであろうポーランドを連破するしてW杯出場を決めるのは、かなり難しいだろう。

 イタリアとの対戦が決まった北アイルランドは、現在FIFAランキング69位とポット4の中では最も順位が低い。今予選ではドイツ、スロバキア、ルクセンブルクと同居したグループAで3位に終わったが、やはりUEFAネーションズリーグ枠でプレーオフ出場権を得た。

 北アイルランド代表の選手でプレミアリーグでプレーしているのは、リバプール下部組織育ちの右SBコナー・ブラッドリー、サンダーランドのCB兼SBトレイ・ヒュームら数人で、多くはチャンピオンシップ(2部)以下のリーグに所属している。

今予選ではホームのベルファスト(ウィンザー・パーク)でスロバキアを破り、ドイツにも0-1と善戦するなど、どんなチームに対しても手強い相手となるが、アウェーではFIFAランキングで大きく劣るベラルーシ(99位)やルクセンブルク(103位)と引き分け、88位のブルガリアに敗れる(いずれもネーションズリーグC)など、困難に陥ることが多い。常識的に考えれば、イタリアにとっては難しくない相手だが、4年前の予選プレーオフでは、ほぼ同レベルの北マケドニアに0-1で敗れた「実績」があるので、油断は禁物だ。

  この北アイルランドを首尾よく下して決勝に勝ち上がった場合、W杯出場権を賭けて戦う相手はウェールズ(FIFAランキング32位)あるいはボスニア・ヘルツェゴビナ(同71位)。FIFAランキングでも下馬評でも、勝ち上がってくる可能性が高いと見られているのは、かつての国民的英雄クレイグ・ベラミ監督率いるウェールズだ。
 
 ベルギー、北マケドニア、カザフスタン、リヒテンシュタインと同居した予選グループJでは、直接対決で2敗を喫したベルギーに次ぐ2位。結果次第では順位が入れ替わる可能性があった北マケドニアとの最終戦にホームで7-1と大勝し、プレーオフ進出を確定した。
 
 予選では8試合で21得点を挙げており、ベルギーに対しても2-4、3-4と敗れはしたもののほぼ互角の撃ち合いを演じた攻撃型のチーム。センターフォワードに人材を欠いているため、4-2-3-1あるいは4-3-3の前線は、プレミアリーグでウイングとして活躍するブレナン・ジョンソン(トッテナム)、ハリー・ウィルソン(フルアム)、ダニエル・ジェームズ(リーズ)というスピードのあるアタッカーによって構成されることが多い。

 そのベルギーとの対戦で2試合ともボール支配率で相手を大きく上回ったことが示すように、能動的かつ積極的に振る舞う。イタリアは予選のノルウェー戦、イスラエル戦で見られたように、相手に主導権を握られたうえでウイングの1対1突破に晒されると困難に陥ることが多く、そうした状況を少なくするようボールを支配して攻勢に立ち、敵陣で試合を進めるような戦い方をする必要がありそうだ。

  もう一方のボスニア・ヘルツェゴビナは、予選8戦中7試合に出場して5得点を挙げるなど、39歳を迎えた今もなおエースの座に君臨するエディン・ジェコ(フィオレンティーナ)を核とするチーム。オーストリア、ルーマニア、キプロス、サンマリノと同居した予選グループHでは、最後までラルフ・ラングニック率いるオーストリアと首位争いを続け、適地での直接対決となった最終戦で先制しながら、後半に追いつかれて引き分けに終わり、2位に甘んじる結果となった。

 ジェコを前線中央の基準点に置く4-2-3-1あるいは4-4-2で、重心を低めに構えたミドル/ローブロック守備から、スピードに乗ったカウンターアタックを狙うタイプのチームだが、守備の安定度はそれほど高いとは言えず、敵地のウェールズ戦を制するのは簡単ではなさそうだ。

 イタリア国内では、準決勝で相対的に「楽な」相手を引き当てただけでなく、決勝でもポーランド、アイルランドといった「嫌な相手」と当たる可能性を避けた。本来の力を見せることができれば、今度こそワールドカップへの切符を勝ち取れるはず、いや勝ち取らなければならない、しかし過去2回の「実績」を考えれば最後まで油断は禁物――という「慎重な楽観論」が支配的だ。

 確かに、戦力的に見ればイタリアは、対戦する可能性があるどの相手と比べても明らかに上位に立っている。本来の戦いができれば負けないはず、というのはまさにその通りであり、その意味で成否は対戦相手ではなく自分たちの戦いぶりに懸かっていると言えるだろう。2大会続いた「イタリアのいないワールドカップ」をまたもや繰り返さないための条件はすべて揃っているのだから。

文●片野道郎


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配信元: THE DIGEST

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