今後のアニメ産業は「海外×短編×共創」
――今後、アニメ業界はどんな方向に進むと考えますか?
大貫:まずは海外マネタイズの比重がますます増していきます。配信プラットフォームを通じて海外へ売るモデルが定着しました。“日本発”の強みを活かすために、刀・呪術・学園などのクラシック要素が再評価されています。そして、短編化・共創化の流れも進んでいます。短尺アニメや個人制作作品のクオリティが上がり、SNSとの親和性も高い。ただしビジネス的には収益構造をどう設計するかが課題です。
またAIの活用も避けて通れないテーマですが、AIにできない“人間の熱”や“ストーリー構築”に価値を置く方向に進むと考えています。
――最後に、ファンや業界関係者へのメッセージをお願いします。
大貫:アニメを“観て終わり”にせず、ぜひリアクションをしてほしいです。感想を投稿する、グッズを買う、イベントに行く——そうした行動がコミュニケーションに繋がり次の作品を生み出す力になります。そして業界側も、ファンの声をもっとデータとして観測していくべきです。マーケティングとかそういうのもなんですが、熱量とか期待感とかそういう「心」も受け取ってある程度変数に入れ込まないと。人間の心の動きをデータ化なんて出来ませんが、データと熱量とか心とかコミュニケーション的な心、その両方を見ていきたいです。説明しやすいデジタルだけでも、なんとなくな感覚だけでも駄目だと思うので。
“届ける”だけでなく“受け取る”仕組みを持つことが、アニメ産業全体の持続性を高めていくと思います。
――ありがとうございました。
(執筆者: sasuke_in)
