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“成長中”の坂本怜と“好調”の内田海智。課題に向き合う二人が慶應チャレンジャー決勝進出!<SMASH>

“成長中”の坂本怜と“好調”の内田海智。課題に向き合う二人が慶應チャレンジャー決勝進出!<SMASH>

勝利へのラストゲームは、40-15から追い上げてブレークした。11月17日から23日にかけて開催中の、男子テニスの下部ツアー「横浜慶應チャレンジャー」。19歳の坂本怜が、サンティラン晶を3-6、6-1、6-3で破り決勝に進出した。

 坂本の逆転勝利は、準々決勝の内山靖崇戦に続いて2試合連続。そしてそれは、決して偶然ではないと坂本は言う。

「昨日も今日も、ファーストセットでは相手の球とかプレースタイルとかに、自分が追いつけなかったり、対応しきれないところがあった。そこから少しずつ相手の癖みたいのが読めてきて、自分のテニスがセカンドセットの途中ぐらいからでき始める感じなんです。今日だったら、相手のバックのスライスに対して僕のミスが出ましたけど、そこに一つ対応できてからは、相手を左右に振って自分がネットに行ける展開も増えてきた」

 そのように試合中に相手のプレーを分析し、対応策を立案する能力は、ここ半年ほど坂本がコーチと共に、重点的に磨いてきた点だという。
  坂本が今シーズン、新たに雇ったのは、イタリア人のフェデリコ・リッチ氏。ツアー選手の指導経験も豊富な新コーチからは、「ちゃんと考えてテニスをしろ」と言われ続けてきたという。

「コーチからは、大事なポイントで理にかなった戦術をやり続けた方が、結局、勝つ確率が高くなるというのを散々言われてきた。それが少しずつ自分なりに理解できて、試合でも出るようになってきたかなと思います」

 時速200キロを超える高速サービスにネットプレーなど多彩な武器を持つ坂本が、それらを効果的に活用する戦術を習得中。試合を重ねるたびに成長中の坂本は、決勝の展望を問われると、「相手からしたら“ガキ”に負けるのは多分プレッシャーがあると思う。そう考えると僕に少し有利かな」と、いたずらっぽく笑った。

 その坂本と決勝で相対するのは、内田海智。前日に錦織圭を破った31歳は、より勢いを増し、準決勝でも予選上がりのイゴール・マルコンデス(ブラジル)を6-4、6-2で圧倒した。
  錦織に勝ったことで、知人から「これで優勝だな」というメールを受け取りもした。周囲から、そのような目で見られていることを、多少のプレッシャーに感じもしたという。それでも「それとこれとは、別の話」と、自分の中で気持ちを切り替える。準決勝でも、サービスを軸に終始試合をコントロール。ストローク戦では、剛腕生かした強打に加え、柔らかなドロップショットやボレーなどの「遊び心」も織り交ぜつつ、相手を翻弄した。

「今までにない感覚が続いてますね。『何をしても(ショットが)入る感覚』と昨日言ったと思うんですけど、それがこの大会を通して続いている」

 本人もやや驚くほどの好調を支えるのは、9月から改善に取り組んできたサービス。トスの位置やタイミングを変えることで「身体の反動」を生かして打てるようになり、スピードと安定感が増した。
  セカンドサービスに関しては、「球種をもっと混ぜて」というプランはあるが、現時点では、まだファーストサービス重視。だからこそ内田は、「全体的に、まだ伸びしろがある。そこを強化すれば、もっと上にいけると僕は思っています」とニヤリと笑った。

 坂本との対戦は、昨年11月の四日市チャレンジャー以来。

「去年は、この時期に彼に負けてシーズンを終えた。これは僕にとってリベンジマッチ。今、最も勢いのある選手と言っても過言ではないし、彼に勝って優勝できれば、最高の1年になる」と、内田は意欲を燃やす。

 年齢的には開きはあるも、意識的に課題に取り組み、急成長中という意味では同じ二人。両者ともに楽しみにする再戦は、観る者にとっても、エキサイティングな一戦になるはずだ。

取材・文●内田暁

【画像】坂本怜と内田海智がともに準決勝に勝ち、決勝は日本人対決が実現。ダブルスは今村昌倫/松田龍樹が準優勝|横浜慶應チャレンジャー2025 第5日

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配信元: THE DIGEST

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