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【北中米W杯出場国紹介|第4回:ノルウェー】欧州予選で圧倒的な戦績。ポット上位の強豪が最も当たりたくないチームの1つだろう

【北中米W杯出場国紹介|第4回:ノルウェー】欧州予選で圧倒的な戦績。ポット上位の強豪が最も当たりたくないチームの1つだろう


 ベスト16入りした1998年のフランスW杯から、なかなか世界の舞台に立てなかったが、スーパーエースのアーリング・ハーランド(マンチェスター・シティ)を擁する現在のチームは間違いなく、北中米W杯の躍進候補の1つだ。

 欧州予選はI組で優勝経験国のイタリアと同居したが、モルドバとイスラエルに連勝して迎えた第3戦、ホームでそのイタリアに3-0で勝利。守護神ジャンルイジ・ドンナルンマ(マンチェスター・シティ)が守るイタリアのゴールマウスを三度こじ開けた。

 得点者はアレクサンダー・セルロト(アトレティコ・マドリー)、アントニオ・ヌサ(RBライプツィヒ)、そしてハーランド。驚異的な打開力と決定力を兼ね備えるトリオが能力をいかんなく発揮した形だ。

 そこから順調に勝利を重ね、予選最終節で首位突破をほぼ確実にしてミラノのサンシーロに乗り込むと、ハーランドの二発などでイタリアに4-1の快勝。実に7大会ぶりとなるW杯の出場を祝った。

 今回の欧州予選で全勝はノルウェーの他に、K組のイングランドしかいない。しかも、実績的には“格上”と見られたイタリア、イスラエル、エストニア、モルドバという決して楽なグループではないなかで、37得点5失点、得失点差+32という結果は全体のトップだ。

 最新のFIFAランキングは29位で、本大会の抽選会ではポット3に入ることが確定的だが、ポット1、ポット2の強豪を含む多くの国が、最も当たりたくないチームの1つと認識しているはず。
 
 その欧州予選で18得点のハーランドは、今シーズンのプレミアリーグでも、得点ランキングのトップを独走中だ。彼の存在だけでも脅威だが、195センチのサイズと縦の推進力を誇るセルロト、変幻自在のドリブルと左からのボックス進入が危険なヌサ、さらにサイドからも中央からも組織を破壊できるオスカル・ボブ(マンチェスター・シティ)といった主力のアタッカーがおり、ジョーカー的な立ち位置ながら一発がある大型FWヨルゲン・ストランド・ラーセン(ウォルバーハンプトン)など、攻撃陣は充実している。

 彼らを中盤から補助するのが、マーティン・ウーデゴー(アーセナル)を主軸とした中盤の選手たちだ。15歳にしてA代表デビューした左利きの司令塔は、一目見れば誰でも分かるようなタレントだが、率先してハードワークを見せる選手でもある。

 そのウーデゴーを左膝の怪我で欠いたアウェーのイタリア戦で、大型MFサンデル・ベルゲ(フルアム)をアンカーに、運動量が豊富なパトリック・ベルグ(ボデ/グリムト)、左利きのクリスティアン・トルストベット(サッスオーロ)が攻守のタスクをこなし、敵地で2度目のイタリア撃破につなげたことは、チームの厚みを感じさせる、前向きなトピックとなった。

 基本的なメカニズムとして、ストール・ソルバッケン監督は4-4-2と4-3-3をうまく使い分けながら、守備の安定と攻撃の迫力を両立させている。ハーランドとセルロトの“ツインタワー”をシンプルに活かす形もあれば、左サイドを得意とするヌサをウイングに上げた3トップを押し出し、中盤を3枚にしてバランスを取る形もある。

 万能性の高い攻撃タレントであるボブは状況に応じて、インサイドとアウトサイドのポジションを使い分けている。トルストベットは強度の高い守備と2列目からの飛び出しを得意としており、イタリア戦ではハーランドのすぐ横まで来るようなハイプレスから、危険なショートカウンターにつなげていた。
 
 4バックは前線や中盤に比べると、ややネームバリューは下がるかもしれない。しかし、攻撃的な布陣とスタイルを打ち出しながら、欧州予選で5失点しかしていない事実が、守備の堅さを物語っている。

 プレミアリーグで奮闘する196センチのクリストファー・アーエ(ブレントフォード)を最終ラインの統率役として、セリエAで評価を高めるトールビョルン・ヘッゲム(ボローニャ)が圧倒的なデュエルを見せる。

 注目は右サイドバックのユリアン・リエルソン(ドルトムント)。ポジショニングが良く、機を見た攻め上がりからのクロスはハーランドやセルロトを直に活かすアシスト源だ。左サイドバックは右ほど確立されていないが、23歳のデイビッド・メラー・ウルフ(ウォルバーハンプトン)が台頭を見せている。GKエルヤン・ニーラン(セビージャ)は主力最年長の番人だ。

 ソルバッケン監督は戦術の前に、まずチームとして戦うスピリットがベースになることを強調している。毎回、活動時間が短い代表チームにおいて、クラブレベルの細かい戦術設計は難しい。だからこそ、すべての選手が結束することで、シンプルでも一体感のあるチームワークの中で、ハーランドを筆頭した個性を輝かせることができる。

 その意味でもキャプテンのウーデゴーは、中盤から攻守のオーガナイズをするだけでなく、タレント集団のまとめ役として重要な存在だ。ウーデゴーがいなかった11月のエストニア戦とイタリア戦は、アンダー世代からの盟友ハーランドが、代わりにゲームキャプテンを務めた。

 ウーデゴーやハーランドのような超のつく実力者が、チームの成功のために、ひたむきに戦う姿勢を見せる。それこそノルウェーがW杯で躍進を目ざすうえでの強みになっていくかもしれない。
 
 また主力メンバーは強力だが、本大会は欧州予選のように固定的なメンバーで、すべての試合を勝ち切ることは難しい。ポルトガルの名門で躍動する21歳のMFアンドレアス・シェルデルップ(ベンフィカ)をはじめ、クリスティアン・アルスタッド(オーフス)、セロニアス・アースゴー(レンジャーズ)などが、さらに突き上げていけるか。

 現在はU-21代表でアピール中の俊英シンドレ・ヴァレ・エーゲリ(イプスウィッチ・タウン)や18歳の新たな才能スヴェレ・ニーパン(ミドルスブラ)の台頭にも期待したい。

文●河治良幸

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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