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苦労人のブラジリアンが大粒の涙。スーパーフォーミュラ初優勝のイゴール・オオムラ・フラガ「親がどれだけ苦労してここまで来させてくれたか……」

苦労人のブラジリアンが大粒の涙。スーパーフォーミュラ初優勝のイゴール・オオムラ・フラガ「親がどれだけ苦労してここまで来させてくれたか……」

鈴鹿サーキットにブラジル国歌が高らかに鳴り響いた。スーパーフォーミュラ第10戦の決勝レースは、2番手グリッドからのスタートで見事なオーバーテイクを決めたイゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)がトップチェッカー。今年がトップフォーミュラのデビューイヤーながら、見事初優勝を挙げた。

 幼少期を金沢で過ごし、カートで名を馳せた日系ブラジル人のフラガは、家庭の事情により小学校高学年の時に両親の母国ブラジルへ。決して裕福な経済状況ではなかったが、カートやジュニアフォーミュラを戦いながら、グランツーリスモで腕を磨いた。

 フラガは2020年にレッドブルジュニアとなりFIA F3まで登り詰めたが、結果を出すことはできず。育成プログラムから外れてからはしばらくレースで走れない時期が続いた。そんな中で生まれ育った日本に活路を見出すと、スーパーフォーミュラ・ライツ、スーパーGT・GT300クラスなどに参戦していき、ついに今季PONOS NAKAJIMA RACINGでスーパーフォーミュラのシートを得た。

 するとフラガはいきなり高いパフォーマンスを見せ、第3戦もてぎでは3位、第11戦鈴鹿では2位に入った。しかし、優勝にはなかなか届かなかった。やはりTOM'S、MUGEN、DANDELIONといった“3強”の壁は厚かったのだ。

 ただフラガは第11戦の翌日に行なわれた第10戦(富士ラウンド中止分の代替レース)でフロントロウからスタートすると、1コーナーでポールシッターの牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)をアウトからオーバーテイク。そこからは牧野の追撃を抑えきり、19周のスプリントレースを制した。

「スタートが肝心になることは分かっていました」と語るフラガ。蹴り出しでは牧野に並びかけることはできなかったが「諦めずに1コーナーで飛び込んでみましたが、うまくいきました」と振り返った。

 トップチェッカー後は無線で絶叫していたフラガ。ウイニングランでは号泣していたという。

「感謝だったり嬉しさだったり、色々な感情が混ざっていましたが、本当に嬉しかったですね」

「めちゃくちゃ泣きました。ゆっくりでしか走れないくらい、クルマの中では大泣きしてましたね」

 涙を流しながら鈴鹿サーキットを1周する時、脳裏に駆け巡ったものは、苦労して自らをトップドライバーに成長させてくれた両親への感謝だった。

「親がどれだけ苦労して僕をここまで来させてくれたかとか……色んな考えがよぎったりしましたね」

 今頃、ブラジル・イパチンガに住む両親には吉報が届けられていることだろう。

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