F1ラスベガスGPの決勝で、レッドブルの角田裕毅は14位フィニッシュ。初日から好調な走りを見せたが、予選からレースウィークの流れは大きく崩れた。このことに“運”の存在を感じざるをえなかった様子だ。
角田はラスベガスGPの初日FP1で3番手タイムを記録し、以降のフリー走行でも手応えのある走りを積み重ねた。
しかし予選から、角田の状況は一気に悪い方向へと傾いた。雨の中で争われた予選でチームがタイヤ内圧管理をミスしたことで、Q1敗退19番手に終わってしまったのだ。
チームはこのミスを角田に謝罪し、決勝に向けてはパワーユニット交換とリヤウイングの変更を実施。角田はピットレーンから追い上げを目指していくことになった。
たが角田のレースは厳しいモノになった。ミディアムタイヤを履いてスタートした角田は、1周目にピットインしてハードタイヤへ履き替えた。しかしすぐにバーチャル・セーフティカー(VSC)が宣言。その後はフランコ・コラピント(アルピーヌ)を抜きあぐねているうちに他のライバルに追い抜かれてしまうと、2度目のピットイン。なぜかスタート時に履いていたミディアジュタイヤを再び履くことになった。そして最終的にポジションを大きく上げていくことはできなかった。
レース後、角田はピットイン直後にVSCが入ったことが問題だったと発言。さらに今週末は「自分に何もかも逆風が吹いていた」ように感じられたと語った。
「問題は、ピットインの直後にVSCが出てしまったことです。理想的な展開ではありませんでした」
角田はそう語る。
「レースで目指していたのは、ダーティエア(他のマシンの後方に生じる乱流)から抜けることだったんですが、VSCによって何人ものドライバーが僕の前でコースに復帰してしまいました。それで、ポイントも獲得できませんでした」
「今のところ、運も含めて何もかもが逆風になっているようです。僕は運という言葉で片付けるのは好きではないんですが、今週末は本当に運が悪かったように思います」
「予選までにあったペースを活かすこともできなかったのは残念ですし、フラストレーションが溜まります」
「(VSCがなければ)ポイント圏内に近づいていたと思います。そのせいでかなりタイムを失いましたから。ただ一番の問題は昨日の予選(でのタイヤの内圧ミス)です。ああいったことは起きるべきではありません」
なおレースに向けて変更を施したマシンのバランスについては、正しい方向ではなかったとも付け加えた。
「いくつか変更を加えたんですが、正直に言って正しい方向だとは感じられませんでした。少なくとも、エンジンを交換したのは残りのレースに向けて良いことだと思います」
「(交換したフレッシュなPUが)少しでもプラスになることを期待しています。以前よりパフォーマンスは良くなっていると思います。予選でもっと良い結果を出さなければいけないと思います」
そして角田は、予選でのタイヤ空気圧の設定ミスについて訊かれると次のように話した。
「僕もなぜこうしたミスが起きたのか知りたいです。本当に基本的なことでしたし、明らかに想定外です。些細なこととか、そういうことではないですね。これでは競争力を発揮するチャンスはほとんどありません。それに、避けられたミスだったと思います」
角田は2026年シーズンの去就がまだ決まっていない。そのため残り少なくなったレースで、好パフォーマンスを発揮したい時期にあるが、ここ数戦連続でオペレーション面でのミスで足を引っ張られてしまっている。
角田はフラストレーションが溜まっているのではないかという質問に対しては答えを濁しつつ、次のカタールGPでも、ラスベガスGPのFPで示していた速さを再び発揮することが大事と語った。
「どうでしょう。ただ、少なくとも予選までは何度も僕自身の力を示してきました。FP1からFP3 まで、毎セッションのパフォーマンスランで、マックス(フェルスタッペン/チームメイト)とかなり接近していたし、何度も彼の前にいました。あれほどのペースは長い間、自分でも感じたことがなかったし、彼らも見たことがなかったと思います。そこはポジティブなことだと思います」
「ペースは本当に良かったんです。マックスのすごいところは、予選になるとさらにもう1段階レベルを上げてくることです。でも自分にも自信があったし、他のどのグランプリよりも自信がありました」
「だから本当に残念でした。でも、ポジティブなのはペースが確実に上がっていて、改善してきていることです。だからカタールでも同じようにすることが大切です。それだけです」

