11月23日(日)、鈴鹿サーキットでスーパーフォーミュラ第12戦(最終戦)の決勝レース(31周)が行なわれた。優勝は岩佐歩夢(TEAM MUGEN)で、逆転で2025年シーズンのシリーズチャンピオンとなった。
王座争いの雌雄を決する最終ラウンドは、第10戦・第11戦・第12戦の3レースが開催される異例のスケジュール。まず土曜午後に第11戦決勝が行なわれ、日曜午前に富士ラウンドの代替レースである第10戦決勝が行なわれた。これで最終戦に向けてチャンピオン候補は坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S/116.5ポイント)、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING/107ポイント)、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING/107ポイント)、岩佐(104ポイント)の4人に絞られた。
ポイント的には連覇を狙う坪井が有利だが、坪井は7番グリッドに沈んでしまった。一方でランキング4番手の岩佐がポールポジションを獲得。岩佐はそのまま優勝すれば、坪井が5位以下で逆転タイトルを手にできる状況だった。
運命のレースは14時30分にスタート。岩佐はトップで1コーナーを抜け、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)、牧野、野尻智紀(TEAM MUGEN)、太田と続いた。坪井は2コーナー立ち上がりで少しダートにタイヤを落としてしまい、9番手に落ちた。
今回のレースはピットウインドウが設定されておらず、いつでもタイヤ交換義務を消化できるが、1周目から早くも動きがあった。岩佐のタイトルをアシストする立場にある野尻がピットインしたのだ。すると2周目には坪井も入り、野尻の前でコース復帰。坪井はシケインで野尻にオーバーテイクを許したものの、1コーナーへの飛び込みで抜き返すことに成功した。
6周目には太田、7周目には岩佐がピットインして、上位陣は佐藤、牧野がステイアウトする展開。しかし11周目のシケインで野中誠太(KDDI TGMGP TGR-DC)と大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)が接触して大湯のマシンがストップしたため、セーフティカーが出された。ステイアウト組はここで全車一気にピットへとなだれ込んだ。
セーフティカーにキャッチアップされるまで各車レーシングスピードで走行したこともあり、上位陣に大きな順位変動はなし。トップは岩佐、2番手太田、3番手佐藤、4番手牧野、坪井は7番手で15周目のリスタートを迎えた。
岩佐はリスタートで首位をキープしたものの、太田が肉薄。両者は優勝すればタイトル獲得の可能性がぐっと高まる状況……そこに佐藤、そして牧野を攻略したフラガのNAKAJIMA RACING勢もひたひたと近付いていた。
そして17周目の1コーナー、佐藤蓮が太田を交わして2番手に浮上。悲願の初優勝に向け、佐藤の次なる獲物は岩佐だ。岩佐は2位に終わると、少なくとも坪井が9位までポジションダウンしないとチャンピオンにはなれない条件。タイトルコンテンダーとNAKAJIMA RACING勢……ホンダ陣営による息詰まる攻防が続いた。
一方、坪井は苦しい展開。阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)に抜かれて8番手に落ちると、9番手の小出峻(San-Ei Gen with B-Max)にも迫られた。岩佐と坪井は、共にひとつでもポジションを落とせばタイトルが一気に危うくなるという状況の中、互いにライバルと僅差のバトルを演じながら最終ラップに向かった。
岩佐は佐藤を0.731秒差で抑え切ってトップチェッカー。2位佐藤、3位太田、4位フラガ、5位牧野という順だった。そして坪井は8位……この瞬間、岩佐のシリーズチャンピオンが決定した。
岩佐は無線で絶叫&号泣。今季はトラブルやクラッシュでポイントの取りこぼしもあったが、優勝2回、2位2回、3位3回と完走したレースではビッグポイントを稼ぎ、見事タイトルを手繰り寄せた。

