レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコ博士は、うまくいかないレースが続く角田裕毅について「彼には不運が付き纏っているようだ」と語った。
ラスベガスGPは、角田にとっては悔しすぎるグランプリとなった。
初日のFP1ではチームメイトのマックス・フェルスタッペンよりも良いタイムを記録し3番手。週末を絶好の形でスタートさせた。その後FP2とFP3は、赤旗や黄旗によってアタックをまとめ切れなかったものの、セクタータイムを見ればかなり好調であることは間違いなかった。
しかし予選から歯車が狂ってしまう。雨に見舞われた予選で、あろうことかチームはタイヤの内圧を設定ミス。まったくパフォーマンスを発揮できず、19番手でQ1敗退となった。
決勝に向けては、パワーユニットの全コンポーネントを交換し、リヤウイングも変更したことでピットレーンからのスタート。ミディアムタイヤを履いたが、1周目にピットインするギャンブルを行なった。しかしこれもうまくいかず、2周目にバーチャル・セーフティカーが出動してギャンブルの意味がなくなってしまい、さらにタイヤのデグラデーションが予想以上に小さかったことで多くのマシンが1ストップに……しかも角田はレース中盤に2度目のピットストップを行ない、スタート時に履いていたミディアムタイヤを再び装着するというありえないような状況に陥ってしまった。これでは順位を上げられるべくもなく、14番手でのフィニッシュ。マクラーレン2台が失格となっても、ポイントには手が届かなかった。
レースを終えた角田は「運という言葉で片付けるのは好きではないですが、今週末は本当に運が悪かったように思う」と語るほど落ち込んでいた。
予選でのタイヤ内圧に関するミスについては、予選後にローレン・メキーズ代表も謝罪。マルコ博士も決勝後に「あってはならないこと」だと語った。
「これは我々の側のミスだ。あってはならないことだ」
そうマルコ博士は語った。
「彼はこの週末を通じて非常に競争力があっただけに、残念だ」
しかも角田にとっての不運は、今週末だけではない。前戦サンパウロGPでは、スタート直後に受けたペナルティを最初のピットストップ時に消化しようとしたものの、これがしっかり消化できていなかったとして再度ペナルティを受け、入賞の可能性が潰えた。またその前のメキシコシティGPでも、ピットストップ時にジャッキアップがうまくいかない大失敗があり、やはり入賞を逃した。3戦連続でのチームのミスにより、好位置でフィニッシュできる可能性を奪われているのだ。角田が「運が悪い」と言いたくなるのも分かろうというものだ。
それ以前にも、ベルギーGPではピットインを指示する無線が遅れてしまい入賞を逃したり、レーシングブルズのマシンを走らせていた開幕2戦も、戦略ミスで入賞を逃している。あまりにも取りこぼしが多い。
これだけチームのミスが続いている状況について尋ねらたマルコ博士は、次のように語った。
「残念だが、彼には不運が付き纏っているようだね……」
なおメキーズ代表は今回の決勝での角田の戦略について、次のように説明した。
「最初にピットストップするのが、我々の意図したところだった」
「もちろん、昨日の我々のミスのせいで、ユウキがポイントを失ったことは承知している。だからこそ少しリスクを取って、他のドライバーたちとは違うことをしようとしたんだ。そうしなければ、ただトラフィックに巻き込まれるだけだと分かっていたからね」
「だからこそ、彼を早めにピットインさせ、少しでも前が開けた状況で走らせ、彼本来のペースを発揮できるようにしたんだ」
「でも、今日はポイント圏内までたどり着くには十分ではなかった」
今季残りは2戦。角田のパフォーマンスが向上してきているのは間違いなく、それがいかんなく発揮できるのを願わずにいられない。

