
この展覧会では、押井守監督とアートディレクターの天野喜孝の間でイメージを共有するため描かれた、200点以上もあるイメージボードのなかより厳選した約70点が展示されている。今回はその展示内容を少しだけお届けしたい。
「天使のたまご 40th anniversary exhibition」は、4Kリマスター版を映画館のスクリーンで楽しんだあとに、映画館内のスペースを最大限に活かすことで、作品の背景や生い立ちに触れさらに深く作品の魅力を感じることができる展覧会。シネクイントとしても初の試みだという。会場の入口には大きなビジュアルが掲出されていて、そこには天野の直筆サイン&イラストが!天野による繊細な線と表情を入口から堪能することができる。

展示内容は、『天使のたまご』の登場人物となる「少女」と「少年」、そして唯一無二ともいえる世界観の成り立ちを垣間見える「天使のたまごの世界」の3つのテーマから選定されたイメージボードが展示されている。全体を見渡すだけで、『天使のたまご』という作品が目指すものが感じとれる。なかには本編とは違った印象を受けるイメージボードもあり、新たな発見や気づきを得ることもできるはず。


そのほかにも、『天使のたまご』の名場面から切り取られた場面展示コーナーや、誕生40周年を記念して天野によって新たに描き下ろされた「少年」のビジュアル誕生秘話をテーマにしたコーナー、押井監督や天野の作品に強く影響を受けたコンセプトアーティスト/デジタル造形作家Entei Ryuによる『天使のたまご』の立体作品(ファンアート)も展示されている。

イラストや場面写真をモチーフにした展覧会オリジナルグッズも多数販売。この展覧会は映画館内に併設されているので、鑑賞直後に訪れるとより余韻が味わえること間違いなし!40年の時を経て鮮やかに蘇った『天使のたまご 4Kリマスター』をすみずみまで体感してほしい。
取材・文/編集部
