紀文食品が10月下旬に発表した『好きなおでん種』調査では1位が大根、2位玉子、3位こんにゃく、以下、餅入り巾着、はんぺん、ちくわ、白滝と続いている。
「おでんは地域によって好みに差がある。北海道や東京などの東日本では、はんぺんが好まれる一方、西日本の大阪や広島、福岡などでは牛すじの人気が高い」(食品アドバイザー)
ところが暗雲が…。好きなおでん種1位の大根は猛暑などの影響で生産量が減っており、仕入れ値は例年の約2倍に高騰しているという。
「大根は1本400~500円したのですが、11月下旬には値段が下がるという朗報がありますから、こちらはひと安心かも。反対に卵はさらに値上げとなりそう」(豊洲市場青果棟仲卸業者)
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“エッグショック”再来か? 練りものもピンチ
かつて“物価の優等生”とされた卵だが、農林水産省の調べでは11月11日時点で東京都の鶏卵Mサイズの卸売価格は1キロ当たり340円前後。前年同期より50~60円も高くなっている。
「2023年の“エッグショック”時の水準に近づいていまず。卵はおでんの玉子だけでなく、練りもののつなぎに卵白を使用しますから、はんぺん、ちくわ、さつま揚げなどにも影響を及ぼします。
しかも、練りものの主原料の魚のすり身の輸入価格が高騰しているからWパンチですよ」(東京・築地のおでん種専門店)
東京都内のおでんを愛する主婦は、料理のやりくりに困惑している。
「玉子は子供たちが好きなので高くても無理してでも買いますが、全体的に10%以上も値上がりした練りものは品数を抑えています。以前は、はんぺん、つみれ、さつま揚げの他に3~4品入れていたんですが…」
あるフードライターは「自宅で作るより“コンビニおでん”の方が安上がりです」と味気ない話をする。
カレーと同様、おでんは各家庭の味がしみているだけに、おでん種の値上げは寂しい限りだ。
「週刊実話」12月4・11号より
