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元カノの影を引きずったまま「最愛ではない夫婦」を続ける48歳エンジニアの告白「子供たちも大切は大切だけど、やっぱりどこまでいっても他人ですよ」

元カノの影を引きずったまま「最愛ではない夫婦」を続ける48歳エンジニアの告白「子供たちも大切は大切だけど、やっぱりどこまでいっても他人ですよ」

互いが最愛の人ではない夫婦

なぜそんな疑念を抱くのか。それは、真知子と「メメント・モリ」的な意味で波長が合っている僕自身、真知子が最愛の人であるとは、必ずしも言いきれないからです。

実は僕、大学時代に真知子の前に付き合っていた元カノのことを、いまだに引きずっています。

その元カノ・美智子は、映画や本やアートといった文化的な趣味の波長が、真知子よりずっと僕に合っていました。僕と真知子の趣味がまったく合っていないというわけではありませんが、美智子には遠く及びません。

また、僕はパートナーから「愛している」といった言葉をたくさん欲しいタイプの人間ですが、美智子はものすごくそれを口にしてくれました。一方、真知子はまったく口にしない人です。

元カノと現妻をそんなふうに比較するのが幼稚で愚かなことだと、頭ではわかっています。ただ、もし美智子が今、目の前に現れたら、僕は揺れてしまう。悩んでしまうでしょう。

つまり僕自身、妻の真知子を「生涯、最愛の人」と言い切ることができないんです。ということは、僕と同じく「他人に依存しないし期待もしない」生き方を信条としている真知子だって、同じかもしれない。最愛の人が僕ではない可能性は、十分にある。

この疑念は一生、解消されないでしょうね。真知子に申告する気も、確認する気もないので。墓まで持っていく案件です。

ただ一方、こういうことを確認しない、言語化しない、可視化しないからこそ、この先も家庭は円満だ、とも言える。家庭円満って、いったい何なんでしょうね?

30年間の積み残し

たぶん、僕は基本的に他人を信じてないんです。

思い起こせば、そうなったきっかけも元カノの美智子でした。彼女と別れる引き金になったのは、彼女がある日の夕方に首に巻いてきた、僕が見たことのないマフラーです。

当時の僕は、そのとき感じたんですよ。「ああ、美智子は僕以外の人に気持ちが向いている」と。そのマフラーは、明らかに「僕に向けて巻いたもの」ではなかったので。

美智子に確認はしていません。確認しないまま、別れました。だけど、僕には絶望的な確信がありました。

その件は、今もって答え合わせがされていない、僕の人生における大きな積み残しです。上書きもリセットもされていない。僕はこの30年間、解かれていない問題を抱えてきました。30年間、「人の本心って、本当のところはどうなんだろう?」と虚空に問いながら生きてきました。

どんなに仲の良い、ほころびのない交際相手でも、長年連れ添った夫婦でも、本心なんてわからない。そういう疑念を、現在の妻である真知子にも、現在の自分自身にすらも抱いているということです。

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