日本球界復帰を表明していた前田健太に対し、古巣・広島が正式オファーを出していなかったことが明らかになった。一部報道によると、球団はチーム事情を理由に動かず、一方で出来高を含む2年総額4億円以上の条件を用意した楽天が、移籍先の最有力候補とされている。
「オファーすら出していなかった」という事実は、カープファンを大いに驚かせ、失望させたようだが、楽天移籍が濃厚となって空気が一変。それが「もう楽天でのびのびやってほしい」「広島に戻れば逆に疲れるだけだ」といった、半ば諦めにも近いものだった。
広島のメディア関係者が言う。
「引き合いに出されたのは、黒田博樹のケースです。かつて黒田は球団の熱意に応える形で、メジャーリーグでの高額契約を捨てて広島へ戻ってきました。その姿を知っているだけに、今回は球団が動かなかった点が、どうしても引っかかるわけです。『あの時はあれだけ動いたのに、今回はなぜ?』と」
そうした中、広島は11月22日にフレディ・ターノック投手(前マーリンズ)を獲得。投手陣の強化は進んでいる。
前田はこのまま楽天入りするのか。「広島は本当にこれでよかったのか」という問いは、しばらく尾を引きそうだ。
(ケン高田)

