その種類や地域、気候条件により若干の違いはあるものの、一般的にクマの冬眠は11月下旬から始まり、翌年の3月頃まで続くとされる。ところが11月終盤になっても連日、日本各地でクマが出没。人的被害が過去最悪のペースで拡大しており、生育地域で暮らす人々にとっては眠れない日々が続いている。
生息する山から人里や市街地へとクマが降りてくる理由は、ドングリやミズナラ、ブナなどの餌不足によるもの。クマは雑食といわれるが、食事の8割から9割は植物だ。
「当然、冬場は植物が育たないため、餌が枯渇します。そこで冬眠前にできるだけ食べて体脂肪を蓄え、エネルギーの確保に努めます。ただ、クマの冬眠は、ちょっとやそっとでは目覚めないほど深い眠りにつくリスなどの小型哺乳類と違ってごくごく浅いため、動物が近づいてくる足音だけで目が覚めるといわれています。そんな浅い眠りの中でクマは、春が来るまでの3~4カ月を過ごすことになります」(動物園関係者)
だが近年は異常気象の影響などにより、餌不足が深刻化。餌を求めて町へと降りてきた子連れのクマが残飯などを漁ったことにより、ドングリよりも魅力的な味を覚え、それが子グマに伝えらえる。これがクマ出没増加要因のつひとになっているとされている。
前出の動物園関係者が言う。
「クマが冬眠する際に洞穴に入るのは、冷気を避けるため。そして静かで狭い場所を好むからです。その点でいえば、古民家の床下収納や二重壁の裏、物置の奥などは天然の洞穴よりも快適で、しかも安全性が高い。そういう意味では、クマにとって絶好の隠れ家、つまり『冬ごもりの場』になるのが、食料が残されたままの空き家や、別荘として冬季は無人となりがちなセレブ御用達の高級コテージやログハウスなんです。コテージやログハウスなら、備蓄用の食料が置かれていることが多いでしょうから、クマにとっては快適な高級ホテルそのものです」
母グマの中には、冬眠しながら出産する個体も少なくないが、その場合、子供を産み落とし、後産処理をしてから再び冬眠に戻るが、動物園のように食料さえあれば、冬眠せずに子育てする個体もいるという。
春になってコテージを訪れたらクマが子育てしていた、などいう場面に出くわすことなど、考えただけでもう…。
(灯倫太郎)

