
元東北楽天ゴールデンイーグルス監督の田尾安志氏が24日、自身のYouTubeチャンネル『TAO CHANNEL』を更新。甲子園球場の「ホームランテラス設置案」について持論を展開した。
【今回の動画】田尾氏が甲子園球場のホームランテラス設置を語る
■大山がホームランテラスの設置を提案動画では田尾氏が視聴者からの質問に回答。そのなかで、阪神の大山悠輔が球団に対し甲子園球場へのホームランテラス設置を要望したものの、却下された件について、「なぜなんですか?」という質問が寄せられた。
田尾氏は「高校野球のメッカという部分があって、アマチュアのほうにも気を使いながら」と高校野球の兼ね合いという見方を示した。
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■ライト側だけでも…ホームランテラス設置については「いろいろ要望がある中で、これから先のことを考えて、『テラス席を作るのはどうだろうか』という案を、タイガース側からアマチュア側にも出して、平和的に実現できればいいなと思います」と持論を展開する。
阪神にも在籍した田尾氏は甲子園球場のライト側から吹き付ける浜風によって「左打者の打球が押し戻される」と解説。メジャーリーグの「フェンウェイ・パーク」レフト側に設置されたグリーンモンスターの例を出し、「ライト側だけ設置し、ホームランの出やすい球場にしてもいいのでは」と語った。
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■急増した「3点取ったら勝てるゲーム」田尾氏は阪神の現状について「今年の打撃陣の成績を見ると、全体的に打率が低い。ピッチャーのレベルが上がっているのもあるんでしょうけれど、そのなかで点を取るのは厳しくなってきました。以前は5対4くらいの試合が普通にありましたが、それが4対3になり、今年は3点取ったら勝てるゲームが多くなった印象です」と分析。
続けて「これをまた4対3、5対4のような試合に戻していくためには、それなりの工夫や努力が必要になってくると思います。そういう点で、僕はこの『テラス席を設置する案』をもう1度しっかり考えていただきたいと思っています」と大山のテラス設置案に賛同した。
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■高野連の許可も必要か甲子園の「ホームランテラス設置」については今年ホームラン王になった佐藤輝明も、昨年の契約更改で設置を要望したが、阪神球団に却下されている。
もともと甲子園球場は高校野球全国大会開催のため建設されたという経緯がある。テラス設置となれば高野連の許可も必要になるもようで、「すんなりOK」とはいかないようだ。
また、今季阪神は投手を中心とした守りの野球でぶっちぎりのリーグ優勝を決めただけに、諸刃の剣になることも危惧しなければならない。現状、今のままでも多くの観客が入っていて、勝てていることを考えると「必要ない」という意見も正論なのかもしれない。
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【今回の動画】田尾氏が甲子園球場のホームランテラス設置を語る■執筆者プロフィール佐藤俊治。Sirabeeには2015年11月から参画し、月40本程度プロ野球関連記事を執筆中。YouTubeで発信する野球評論家ウォッチャーでもある。野球は高校からメジャーまで年間50か所以上で現地観戦。プロ野球の贔屓チームはなく、どこのチームのファンでもない。「あの選手、あそこに行ったんだ」という目線で見守っている。
(文/Sirabee 編集部・佐藤 俊治)