SNSで勝手に拡散されて…

人格まで判断されるなんて(写真:iStock)
SNSでは、さらに残酷だった。
高校時代、クラスメイトが軽いノリで彼の名前を“キラキラネームまとめ”に投稿。そこに勝手に画像が添えられ、拡散された。
「“ぴかる(笑)”ってコメントがついて。あれは、ほんとに消したかった」
その投稿はすぐに消されたが、検索結果にはしばらく名前が残った。
以来、彼は本名でSNSを使うのをやめた。
「ネットって、一度笑われたら終わりなんですよ。誰かが“変な名前”って言えば、それが事実みたいに広まる。
生まれる前から決められた名前で、人格まで判断されるって、おかしくないですか?」
改名も考えたけれど

両親の思いが詰まっているから(写真:iStock)
それでも、名前を恨みきれない理由がある。両親が本気で考えてくれたことを知っているからだ。
母は当時、名付けの本を10冊以上読み、意味の響きを何度も調べたという。
「“オンリーワンの名前がいい”って、うれしそうに話してたのを覚えてます」
だから、彼は改名を考えたことがあっても、実行に移せなかった。
「改名したら、親が悲しむ気がして。俺が嫌がってること、たぶん知らないんです」
ただ、悪いことばかりでもない。
「“ぴかる”って一回聞いたら忘れられない名前だから、営業では逆に覚えてもらえる」
大学のゼミ発表でも、司会に名前を読み上げられるたびに注目が集まり、自然と人前に出る度胸もついた。
