2025年のスーパーフォーミュラでチャンピオンに輝いた岩佐歩夢(TEAM MUGEN)を担当した小池智彦エンジニアは、岩佐の能力を高く評価。F1で活躍できるポテンシャルを持っていると確信している。
岩佐は先日鈴鹿サーキットを舞台に3レース制で行なわれた今季のスーパーフォーミュラ最終ラウンドで、第11戦と第12戦の両方でポールポジションを獲得。土曜日午後に行なわれた第11戦こそ1周目に他車と接触してリタイアに終わったが、日曜朝に富士スピードウェイ戦の代替レースとして開催された第10戦を4位とし、日曜午後の第12戦は佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)の猛追を凌いでトップチェッカー。大逆転で2025年のスーパーフォーミュラ王者を獲得した。
チャンピオン決定は最終戦であったが、今季の岩佐は完走したレースはほぼ表彰台(第10戦のみ4位で表彰台を逃した)という安定感だった。
岩佐はスーパーフォーミュラに参戦するのと並行して、レッドブル傘下のふたつのF1チームのリザーブドライバー兼シミュレータドライバーを務めてきた。スーパーフォーミュラに参戦した直後に欧州へと飛び、レーシングブルズのファクトリーへ直行。そこで金曜日までシミュレータドライブを担当し、土曜日からはF1開催中のサーキットに移動してコースサイドでチームをサポートする……実に忙しい日々を過ごした。
その能力はF1チームからも非常に高く評価されていて、特にレーシングブルズは岩佐のSFチャンピオンが決まると、SNSに祝福の投稿を行なった。
しかしその岩佐の来季はまだ未定。ただ、来季のレッドブルもしくはレーシングブルズのドライバー候補として名が取り沙汰されることも少ないというのが実情である。
だがTEAM MUGENで岩佐を担当した小池エンジニアは、その能力を高く評価。現在レッドブルからF1に参戦している角田裕毅よりも、技術的知識は優れているはずだと語った。
「岩佐はますます良くなっています」
小池エンジニアはmotorsport.comにそう語った。
「ドライビングスキルとレースへの取り組みにおいて、昨シーズンよりも優れていたと思います」
「今シーズン、彼は非常に安定したパフォーマンスを見せました。平均的なパフォーマンスはどのドライバーよりも優れていたと思います」
「岩佐がF1で活躍する姿は、容易に想像できます。角田選手よりも優れているかもしれません」
「僕は角田選手のことは個人的には知りません。ですが岩佐はドライビングスキルだけでなく、マシンのセッティング能力においても非常に優れています。それはベテランの野尻(智紀)選手と同等のレベルだと思います」
「だからこそ、彼はF1のグリッドにいる他のドライバーよりも、良い走りができるんじゃないかと思っています。彼に必要なのはチャンスが与えられることです。それが一番難しいことなんです」
岩佐は以前、motorsport.comの取材に応じた際に、「過去のレースやデータを分析することがリラックスに繋がるんです」と、余暇の過ごし方を明かしていた。それが小池エンジニアが言うセッティング能力、そしてレーシングブルズからの高い評価に繋がる一因になったということもあろう。
鈴鹿でのレースが終わった後、岩佐は来季について「今の時点では分からないですね」と語り、さらに次のように続けた。
「これからこのチャンピオンの価値や、それをどう活かすかは自分次第になってくると思います。だからこそ、しっかりとこのチャンピオンという肩書き、”日本一”という肩書きを活かせるようなこの先の進め方をしていきたいと思います」
「今後も世界の頂点を目指して突き進んでいきたいです」
小池エンジニアは、岩佐が来季もスーパーフォーミュラを戦うためにTEAM MUGENに残ることになったら「心から歓迎する」と語り、さらに次のように続けた。
「彼はさらに高いレベルに到達できると思います」
岩佐歩夢にはどんな来季、どんな将来が待っているのか?

