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【スーパーGT】まさかのQ1落ち→決勝最後尾から一時首位→無念のタイヤトラブル……ジェットコースターのような1戦となったスバル。何が起こっていたのか

【スーパーGT】まさかのQ1落ち→決勝最後尾から一時首位→無念のタイヤトラブル……ジェットコースターのような1戦となったスバル。何が起こっていたのか

赤旗中断となる大きなアクシデントが発生した波乱のスーパーGT第6戦SUGOは、GT300クラスの61号車SUBARU BRZ R&D SPORTにとっても色々なことが起こりすぎたレースだった。予選での苦戦、決勝での首位浮上、そしてまさかのトラブル……イベントフルな週末を小澤正弘総監督に振り返ってもらった。

 第5戦鈴鹿でポールポジションから2位表彰台を獲得し、上り調子でSUGOに乗り込んできたスバル。SUGOは彼らにとって、過去5大会で3度ポールポジションを獲得するなど、特に相性の良いサーキットのひとつだ。しかしながら、予選ではまさかのQ1敗退を喫した。

 BRZがQ2進出を逃すのは、2023年第2戦以来約2年半ぶりだという。得意のコースで何が起きたのか? Q1を担当した井口卓人は、マシンが曲がっていかないという症状を訴えていたようだが、これについて小澤総監督は、今季から小径化されたGT300規定車両のフロントタイヤ、そして新舗装となったSUGOの路面が関係しているのではないかと考察した。

「新舗装と小径タイヤの組み合わせによって、リヤのトラクションがすごいんですよ。縦方向に路面を食いやすいのか、トラクションが出過ぎて曲がらなかったんです」

「元々すごく曲がってテールが安定しないようなクルマの人たちは楽だったかもしれませんが、元々フロントで一生懸命曲げようとしていた人たちは苦労する……というパターンだったのではと思っています。フリープラクティスが雨で路面コンディションが悪かったこともあり、しっかり合わせきれなかったことが予選に向けて足を引きずってしまったかもしれません」

 23番グリッドから迎えた決勝レースは予選で使ったタイヤでスタートしなければならないが、スバルはQ1で使ったタイヤにグレイニング(ささくれ摩耗)が出ていたことから、フォーメーションラップでピットインして別のタイヤに交換し、最後尾(28番手)から勝負をかける戦略に出た。

 隊列から大きく遅れての合流となったBRZだが、山内英輝のペースは良く、じわじわとポジションを上げていった。20周を過ぎた頃には10ポジションアップの18番手となっており、数台の車両が早めのピットストップに向かいはじめた30周ごろにはトップ10に顔を出していた。

 そこからもステイアウトを続けた結果、ピットイン組を従えてトップに浮上したBRZ。ここからピットに入ってコースに復帰しても、まずまずのポジションで戻れるのではないか……そんな状況だったが、49周目に大きなアクシデントが発生して赤旗中断。彼らにとっては流れが悪くなってしまった。

 セーフティカー先導の下でレースが再開された直後、山内はピットに戻って井口卓人と交代。タイヤは用意されておらず、無交換でのコース復帰だ。しかしながら、BRZの右リヤタイヤにトラブル発生。タイヤが外れかかり、白煙を上げながらピットに戻ってきたBRZの右リヤにはホイールナットがついていなかった。

 タイヤ交換作業のミスによりナットが外れるというケースは考え得るが、タイヤを替えていない状況でのピットアウト直後のナット脱落は非常に不可解と言えた。これについて小澤総監督は、1時間に及ぶ赤旗中断による金属製ナットの温度変化が一因ではないかと指摘した。

「1回温まって膨張・変形したものが、赤旗で冷えていたんだと思います。冷えている状態でホイールスピンなどしてしまうと、緩みやすいんです」

 予選での苦戦から一転、決勝ではトップ10フィニッシュも狙える追い上げを見せたスバル。次戦オートポリスに向けて小澤総監督は「オートポリスは比較的得意ですが……SUGOもだいぶ得意で自信たっぷりだったんですけどね。新舗装は予想よりだいぶ違っていました」と苦笑いを浮かべた。

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