
吉沢亮が主演を務める映画「国宝」が、公開からロングランヒットを続け、公開172日間で興行収入173億円を突破し、2003年以来破られることのなかった歴代邦画実写映画の興行収入記録を更新する22年ぶりの快挙を達成した。また、本作はアカデミー賞国際長編映画賞の日本代表にも選出されるなど、国内での記録的ヒットに加え、世界各国でも注目を集めている。
■吉沢亮と横浜流星が競演、李相日監督が描く壮大な芸道
本作は、吉田修一氏が本作の歌舞伎指導も務めた中村鴈治郎の下で3年間歌舞伎の黒衣をまとい、楽屋に入った経験を血肉にして書き上げた同名小説を、「フラガール」の李相日監督が映像化した作品。映画について原作者の吉田氏は「100年に一本の壮大な芸道映画」と述べている。
任侠の一門に生まれながらも歌舞伎役者の家に引き取られ、芸の道に人生を捧げた主人公・喜久雄(吉沢)の50年にわたる壮絶な一代記を描く。任侠の一門に生まれた喜久雄と、御曹司である俊介(横浜流星)がライバルとして高め合い、運命に翻弄されながら芸の道を極めていく姿がスクリーンに映し出されている。
主演の吉沢、共演の横浜をはじめ、渡辺謙や田中泯といった実力派俳優陣が名を連ねる。役者陣が吹き替えなしで挑んだ歌舞伎シーンは、観る者を圧倒する迫力を持つと話題を呼んだ。
■興収173億円突破、22年ぶりに歴代邦画実写1位の座へ
6月6日に公開された映画「国宝」が、歴史的な記録を更新した。11月24日までの公開172日間で、観客動員数は1231万1553人、興行収入は173億7739万4500円に到達した。
この数字は、歴代の興行収入ランキングにおいて、2003年に公開された「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」の173.5億円を上回る記録となる。22年もの長きにわたり保持されていた記録を塗り替え、邦画実写作品として第1位の座を獲得する快挙を成し遂げた。
■アカデミー賞日本代表選出、2026年には北米公開も決定
国内での記録的ヒットに加え、世界各国でも注目を集めている本作。第98回米国アカデミー賞国際長編映画賞の日本代表に決定したほか、カンヌ国際映画祭や上海国際映画祭、トロント国際映画祭など各国の映画祭に出品された。
10月にはタイのバンコク国際映画祭でクロージング作品として上映。また、数多くのアカデミー賞ノミネート作品を扱ってきた配給会社GKIDSにより、2026年の北米公開も決定した。日本のみならず世界中から注目を集める一作となっている。
■映画「国宝」ストーリー
後に国の宝となる男は、任侠の一門に生まれた。
この世ならざる美しい顔をもつ喜久雄は、抗争によって父を亡くした後、上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎に引き取られ、歌舞伎の世界へ飛び込む。そこで、半二郎の実の息子として、生まれながらに将来を約束された御曹司・俊介と出会う。
正反対の血筋を受け継ぎ、生い立ちも才能も異なる二人。ライバルとして互いに高め合い、芸に青春をささげていくのだが、多くの出会いと別れが、運命の歯車を大きく狂わせてゆく。

