『WORLD TAG LEAGUE 2025』ビッグパレットふくしま(2025年11月25日)
Bブロック公式戦 ○ザック・セイバーJr.&大岩陵平vs上村優也&海野翔太×
ザック&大岩が接戦の末に海野&上村を破ってWORLD TAG LEAGUE開幕2連勝を飾った。
海野&上村の新世代タッグは10・13両国大会でIWGPタッグに挑戦し、王者Ice&OSKARに敗戦。再挑戦を見据える二人は11・22藤沢大会における初戦で棚橋&ファンタズモを破って好スタートを切った。対するザック&TMDKコンビは2年連続出場で、初戦でオーカーン&ニューマンを撃破。Bブロックの有力候補2チームが早くも星を潰し合った。
上村とザックが腕の取り合いなど技術を駆使した先手争いを展開し、海野と大岩はタックル合戦で正面衝突。海野が競り勝つと、上村は左腕を取り続けて執ような腕攻めで大岩の動きを止める。大岩もショルダータックルで反撃し、キーロックで対抗。ザックも複合関節技で腕と足を同時に絞め上げた。
その後もザックと大岩の腕攻め地獄に捕まり続けた上村だったが、大岩に反転式ダイビングボディアタックを放って突破口。タッチを受けた海野がコーナーに追い込んでエルボーと逆水平の交互連打を浴びせる。串刺しランニングエルボースマッシュ、フィッシャーマンスープレックスの連続攻撃を敢行。上村とのダブルバックドロップは阻止した大岩が両腕ラリアットで二人まとめてなぎ倒した。
ここでザックが上村にエルボースマッシュ連打を浴びせ、フロントハイキックで左腕を蹴りつける。ならばと海野が飛び込んでザック、大岩の順でダブルドロップキックを次々にさく裂。ザックに海野がエルボー、上村が逆水平を交互に叩き込み、今度こそのダブルバックドロップで叩きつける。海野が追撃を狙って突っ込むと、ザックは飛びつき腕十字で迎撃。クラーキーキャットに移行すると、大岩もアームロックで上村を分断した。
海野も何とかロープにたどり着いた。ザックがミドルキックで蹴りまくり、張り手を見舞っても、上村が延髄斬りで援護射撃。大岩がテンザンスープレックスで上村を引っこ抜くと、海野がハーフネルソンスープレックスを敢行。ならばとザックがスイングDDTで突き刺し、4人が倒れ込んだ。
海野とザックが同時に立ち上がり、エルボースマッシュ合戦で火花。互いに譲らず何発も打ち合い、海野が連打でぐらつかせたが、ザックはスリーパーで絡みつく。大岩もスリーパーで上村を分断にかかったが、切り抜けた海野と上村はジャーマンを同時に敢行。海野がザックの後頭部にランニングニーを突き刺し、トップロープからの雪崩式ブレーンバスターを敢行。上村がマッドスプラッシュを投下した。
海野にタッチした上村はスライディングキックで大岩に突っ込んだが、不発に終わると、大岩がショートレンジラリアットでフェンス外に吹き飛ばした。リング上ではザックと海野が一進一退の丸め込み合戦を展開。海野が正面飛びドロップキックを見舞い、ザックがランニングローキックで蹴り飛ばしても、ラリアットで吹き飛ばす。ザックがザックドライバーで突き刺しても、上村のカットが間に合った。
大岩がTHE GRIPで鎮圧にかかっても、かいくぐった上村はカンヌキスープレックスの構え。大岩もフロントスープレックスで切り返し、上村をTHE GRIPで吹き飛ばす。海野がヘッドバットで大岩を鎮圧したが、次の瞬間、ザックがラリアットでお返し。セイバードライバーは海野が首固めで切り返したが、ザックは3カウントを許さず。大岩がTHE GRIPで援護射撃すると、ザックがジャックナイフで海野を丸め込んで3カウントを奪った。
ザック&大岩が20分を超える接戦の末に海野&上村を撃破し、開幕2連勝を飾った。試合後、マイクを手にした大岩は「よっしゃ郡山。俺たちTMDKの2勝目だ!」と絶叫。「海野さん、上村さん、今日は俺たちTMDKのタッグが勝ちましたが、あなた方二人はまだまだ高い壁でいてください。またやりましょう」とメッセージ。この日、実況席に座った天山広吉に向かって「解説席にいらっしゃる天山さん、自分は今までヤングライオンの時、天山さんの付き人をして育ちました。そして今日、天山さんの前で大きくなった姿を見せられて幸せです。ありがとうございました」と感謝した。
そして大岩が「今年のWORLD TAG LEAGUEは俺たちTMDKが勝ってトロフィーをゲットして、またここ郡山に戻ってくる」と誓うと、ザックも「俺たち、今年のWORLD TAG LEAGUE優勝。俺たちThe Mighty Don't Kneel!」と言い切ってみせた。勝ち点を4に伸ばしたザック&大岩の3戦目は11・28青森大会。成田&SANADAとの対戦を控える。
【試合後のザック&大岩】
▼ザック「よくやった。素晴らしい動きだ。丸め込みをやろうと思ったが、ちょっと詰まった。お前のラリアットが強烈だったからな。本当に強烈なラリアットだった。俺たちはいつもテクニカルだからな。俺たちは世界最高の技巧派タッグチームだ。TEKKERSを持ってるタッグは、ほかにいるのか? TMDKの“ザ・チン&ザ・マレット"だけだ。俺の本業はシングルだが、タッグチームで見つけた居場所を気に入ってる。タッグチームレスリング、メチャタノシイ。ロイのおかげだ。いいか、俺は3度のIWGPタッグ王者なんだ。しかし成し遂げていないものがある。1つ、狙っている目標があるんだ。『WORLD TAG LEAGUE』優勝。TMDKが唯一制していないリーグ戦だ。ほかは全て優勝した。そして俺はリーグ戦が大好きだ! この団体でリーグ戦を俺以上に愛しているヤツがいるとすれば、下らないタトゥーの白人のアイツだろうが、まぁ、それはまた別の話だ。ロイ、お前の世代のライバルである、ショータとユーヤ……」
▼大岩「リング上で、リング上で言った通り、まぁ今日は勝ったが、直接俺が3カウント獲ったわけじゃないから、まだお前らの上に行ったとは思ってないけど、これからもどんどんどんどんバチバチやり合おうぜ、上村優也、海野翔太。だけど、今日は俺たちTMDKの勝ちだ。俺たちTMDKがこのチームで、一番のテクニックでタッグリーグ優勝して、トロフィー持ち帰って……」
▼ザック「トロフィーを手に入れよう」
▼大岩「ビール飲みましょう。乾杯!」
▼ザック「(※日本語で)ノミマショーかなあ?」
▼大岩「飲みましょうかな?」
【試合後の海野&上村】
▼海野「(※ヤングライオンの肩を借りてやって来て、首を冷やしてもらいながら床に座り込み)優也さん、ごめん。悪かった。優也さん、頑張ってくれたから」
▼上村「全然。何回でも。まだ負けてない。全然。1勝1敗だし、まだまだ今日のこの悔しさ糧にして、もう切り替えて次に行くしかないです。いつまでもクヨクヨしちゃいられないです。早くダメージ回復させて次、EMPIREっすよ」
▼海野「(※上村の手を握って立ち上がりながら)頼む。今日は負けだ! でも、1回負けたら終わりじゃない。次だ。EMPIRE! 何がなんでも諦めない(※と言って先に引き上げる)」
▼上村「今日は話し合って、2人で機動力をテーマにあのチームに挑んだんですけど、強いな。いいチームっすね。ただ、個人的なことを言わせてもらいますけど、ザック・セイバーJr.、昨日のコメント見ましたけど、『上村が目標がないレスラー』と言ってましたけど、いやぁ僕は新日本プロレスに目標持たないレスラーなんていないと思ってます。どんな選手だって、それぞれ目標持ってこうやって精一杯闘ってるんだ。彼が昨日、僕を煽るつもりで言った、または本心でそう思ってる、そんなことはどうでもいい。その言ったこと後悔させてやる。なりたい自分になるためには、ザック・セイバーJr.、アンタを倒さなきゃいけないんだ。今日は負けた! 次、アンタとシングルで当たることを楽しみにしてるぞ。あと大岩、もっともっと。今日は負けたけど、俺たちのニュースタンダードは終わってない。次は今日の分やり返すからな。ありがとうございました」

