メルセデスF1のチーム代表兼CEOのトト・ウルフは、株式の一部を先日売却していたが、退任予定などはなく、引き続きチームを率いていく意向を示した。
自身が所有する持ち株会社”モータースポーツ・インベストメント社”の株式の一部を売却する意向を今月になって明らかにしていたウルフ代表。先日クラウドストライクのジョージ・カーツCEOへの株式売却が完了したことが明らかとなった。
モータースポーツ・インベストメント社は、メルセデスF1チームの会社組織であるメルセデス・ベンツ・グランプリ社の株式1/3を保有しており、今回のカーツCEOへの売却に際しては、メルセデスF1の株式の5%が含まれている。
メルセデスF1のチームの価値は過去最高の60億ドル(約9280億円)にも達しており、そうした中での株式売却には、ウルフ代表がF1から離れることを考えているのではないかという憶測に繋がった。
しかしウルフ代表は、退任予定はないとラスベガスGP後に語った。
「チームを売却する予定も、退任する予定もない」と彼は述べた。
「実際、今は良い状態にあるし、それを楽しんでいる。そして自分が貢献していると感じ、他の人たちも私が貢献していると感じている限り、その方向性(退任)について考える理由はない」
そして株式の一部売却の理由についても、ウルフ代表は説明した。
「私の持株の一部をジョージに売却したことだが、ジョージはレーサーであり、テック起業家であり、米国市場を我々が戦略的に活用するうえで助けとなる人物だ。それが売却の理由であり、それ以外は何もない」
ウルフ代表はチームの評価額が1兆円に迫るところまで上昇していることについては、次のように語った。
「まあ5年前に誰かがチームの評価額がどうなるかを教えてきたとしても、誰も信じなかっただろう」
「しかし、それはチームの可能性を推察した結果だろう。予算上限制度によって、我々のビジネスは根本的に変わったんだ。以前のような札束の殴り合いではなくなった」
「我々は収益を増やし、フリーキャッシュフローを増加させることができた。そして、それが業界の評価倍率を押し上げて、このような評価額に至ったのだ」
「アメリカのスポーツチームを確認すると、(NFLの)ダラス・カウボーイズ(の価値)は5年前には30億ドル(約4700億円)だった。しかしそれが今では120億ドル(約1兆8800億円)だ。これは基盤となる数字が変わったためだ。そしてだからこそ、将来は誰にも分からない」
「スポーツを楽しめるものにするには何が必要か、エンターテインメント性を高めるには何が必要かを理解し続け、素晴らしいショーを提供し続けるなら、スポーツがこのまま成長しない理由はない。どうなるかは分からないが……最も重要なのは、スポーツを正しい方向で守っていく必要があるということだ」

