6年ぶりにMotoGPクラスのチャンピオンに返り咲いたマルク・マルケスと、キャリアハイとなるランキング2位を獲得したアレックス・マルケス。MotoGP史上初の偉業を成し遂げたふたりが、地元で盛大にお祝いされた。
11月22日、スペインのカタルーニャ州・サルベラでは、地元の英雄マルケス兄弟の凱旋祝賀会が開かれた。
マルク・マルケスは2020年にクラッシュし右腕を骨折すると、そこから何度も手術が必要な状況に陥ってしまい、さらにホンダも低迷し始めた時期だったことも加わって、チャンピオンからは何年も遠ざかってしまった。
しかし2025年、マルク・マルケスはドゥカティのファクトリーチームでライバルを圧倒する強さを発揮。”6年ぶり”にMotoGPチャンピオンに返り咲くという、類を見ない復活劇だった。
それだけでもマルク・マルケスにとっては嬉しいことだが、それに加えシーズン中盤までタイトルを争った実弟アレックス・マルケスが、年間ランキングで2位を獲得。MotoGP史上初となる兄弟ライダーのランキングワンツーを果たした。
まさに歴史的なシーズンとなった2025年。そんなマルケス兄弟の偉業は地元サルベラで盛大に祝われることに……地方自治体の関係者や、政治家まで来場し、街を挙げての祝賀会だった。
アレックス・マルケスは市庁舎のバルコニーから、大勢の観衆に向けて「サルベラ出身であることを、そしてこの場所の名前を世界中に広げられていることを、誇りに思う」とコメント。さらにマルク・マルケスも心に残る言葉を語りかけた。
「人口1万人の街から、MotoGPチャンピオンと2位のライダーを輩出することができた。でも、僕が一番強調したいのは、僕らが暗闇の中で苦しんで過ごしてきた4年間だ。その期間を皆がずっと支えてくれた。今日は皆で一緒に祝いたいと思う」
インドネシアGPのクラッシュで負った肩甲骨骨折が完治していない兄マルクがアレックス・マルケスが操るバイクのタンデムシートに乗っていくスタイルでの登場もあった。
広場に作られた特設ステージでは、ドゥカティのジジ・ダッリーニャ(ゼネラルマネージャー)といった重鎮、グレシーニのナディア・パドヴァーニ代表といったチーム側のメンバーも集結し、マルケス兄弟の偉業を祝った。なお来季MotoGPデビューが決まったMoto2王者ディオゴ・モレイラ(サルベラ近郊に住んでいる)もここに参加していた。
そしてマルケス兄弟はこの祝賀会で、短い時間ながらメディアの取材に応じ、心境を語った。
「これは僕たちにとって大きな意味がある。歴史的だ」と兄マルクは語った。
「ただ、“歴史的”という言葉は何か過去の出来事のように聞こえてしまうけれど、今まさに起きていることだ。また同じことができる可能性は高くはないかもだけど、もちろん挑戦し続ける」
そして弟アレックスは「サルベラで再び祝えること、そして兄弟そろって祝えることは唯一無二のことだ。“歴史的”よりもその言葉のほうがしっくりくる」と話し、さらに次のように続けた。
「ランキング2位ということ以上に、今季はマルクから学んだことに感謝している。彼のすぐ後ろを走り、彼の“なぜそんなことをするんだ?”と思うような走りを見ることができた。そこから多くを学んだよ」
マルク・マルケスは、連覇を目指す2026年シーズンに向けては弟が最大のライバルになってくるだろうと考えている。
「今季を通して、ライバル関係が僕たちを引き離すどころか、これまで以上に結びつけた」
マルク・マルケスはそう語る。
「アレックスは2026年にチャンピオンになるチャンスがある。弟は何でも成し遂げられる。世間は焦りがちだけど、弟は勢いにいったん乗れば止められないんだ」
そして弟アレックスはそんな兄について、「彼が持つ勝利への渇望を考えれば、達成できないものはない。マルクは、やめようと決めるまで勝ち続けるだろう」と語り、インタビューを締めくくった。
なお祝賀会ではこの日最大のサプライズとして、『Alexneta』と呼ばれるアレックス・マルケス仕様のバンが本人にプレゼントされた。これは今年の予選アワードで僅差で兄に敗れ、BMWの車を獲得できなかった弟への埋め合わせだった。

