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マシン性能を底上げし、後進に美しきバトンタッチ。SF引退の大嶋和也は笑顔で去る「楽しく走れるレースが多かった。良いシーズンだった」

マシン性能を底上げし、後進に美しきバトンタッチ。SF引退の大嶋和也は笑顔で去る「楽しく走れるレースが多かった。良いシーズンだった」

先日の鈴鹿ラウンドで、スーパーフォーミュラでのラストレースを終えた大嶋和也(docomo business ROOKIE)。3レースが行なわれた同大会では、第11戦で6位入賞を果たすなど見せ場を作った。

 2020年に新規チームのROOKIE Racingにドライバーとして加入した大嶋は、以降は苦しいシーズンを送ってきた。2023年のSUGO戦で加入後ベストリザルトとなる4位を記録するも、翌2024年はノーポイント。大嶋はこの年限りでスーパーフォーミュラから退く意向だったというが、結果を残せていない状況での引退は後悔するだろうとの思いから、チームオーナーである豊田章男氏に「もう1年だけやらせてほしい」と直談判。チームと共に、並々ならぬ意気込みで今シーズンに臨んできた。

 その結果、大嶋のマシンは大きくパフォーマンスアップした。スーパーフォーミュラは全車共通のマシンを使うワンメイクカテゴリーだが、その分ドライバーとエンジニアで車両性能を極限まで引き出すセッティングを導き出すこと、そのための下地として組み付けを行なうメカニックが一貫性を持って車体を仕立てることが重要となる。チーム一丸となって努力を重ねた結果、大嶋のマシンはダウンフォースを活かして高速域で速さを見せられるようになった。

 鈴鹿ラウンドでも、シケインなど低速コーナーでのグリップにはやや手を焼いたものの、ダウンフォースが要求される前半セクターではトップグループと遜色ないスピードを見せていた大嶋。第11戦ではQ2のアタックに間に合わず12番手スタートとなったが、決勝では見事6位入賞。翌日に行なわれたスプリントレースの第10戦でも10位で1ポイントを獲得した。

 引退レースとなった第12戦では不可解なグリップ不足に苦しみ18位に終わったが、それでも大嶋は今シーズンを通して12戦中入賞7回を記録した。最高位は3度記録した6位で、2年前のSUGOを超えるリザルトは残せなかったものの、アベレージのパフォーマンスという点では間違いなく過去最高だったと言える。

 大嶋としても、ラストシーズンに一定の結果を残せたことから、後悔なくスーパーフォーミュラを去ることができたようだ。

「最終戦は本当にグリップしなくて、何が起きているのか分からなかったのでそこだけ心残りですが、土曜日の予選と決勝(どちらも第11戦)で満足できる走りができたので、引退の週末としては上出来だったかなと」

「今年はチームのみんなが色々と頑張ってくれて、今年は楽しく走れるレースが多かったです。本当に良いシーズンだったかなと思います」

「これまで本当にうまくいってなかったので、『しっかりとクルマを作れたら速いタイムが出せる』ということを最後のシーズンで何度か示すことができてよかったです」

「それにルーキーレーシングを強くするということは、僕が結果を出すということ以上に大事なことでした。このタイミングで僕が降りても、他のドライバーで結果を出せると思います。そのくらい強くなってきました」

 大嶋とチームが育て上げた14号車のマシンは、2026年シーズンに新たなドライバーへと引き継がれることになる。来季もチームをサポートする立場としてスーパーフォーミュラの現場を訪れるという大嶋に、来季乗ることになるドライバーへの期待を聞いた。

「表彰台は当然のこと、優勝もモリゾウさん(豊田章男オーナー)に見せてあげたいです」

「そんなに簡単じゃないことなのは分かっていますが、僕もサポートしながらみんなで力を合わせて、自分たちの持っている力を大事なところで発揮することができれば、今のクルマなら全然可能性はあると思っています」

 そんな気になる後任ドライバーに関しては、今季Kids com Team KCMGで走った福住仁嶺が有力視されている。

 福住は昨年からトヨタ陣営に移籍し、スーパーフォーミュラではKCMGに所属する傍ら、スーパーGTではROOKIE Racingで大嶋と共にコンビを組んでいるなど、既にチームとの結び付きも強い。前述の通り、大嶋は2024年シーズン限りでスーパーフォーミュラを退く意向を撤回して今シーズンに臨んだわけだが、もしそのまま引退となっていた場合は福住が今季から14号車に乗っていたのでは……そう見る向きもある。

 また最終戦後の無線では、KCMG土居隆二監督が「仁嶺、2年間ありがとう。最後の最後に良い仕事をしてくれて、(チーム)ランキング5位守ってくれた。苦しい中ありがとう」と福住に語りかけており、移籍の噂に拍車をかけている。

 来シーズンのことについて福住は「今言えることは特に何もないですが、どういう状況になろうとも、与えられた環境で力強いレースがしたいと思っています」とコメントした。

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