東京都大田区の老舗銭湯「女塚温泉 改正湯」で、人気イベント「脳汁銭湯」が今年も開催されます。パチンコ業界大手・マルハン東日本が手掛ける「ヲトナ基地プロジェクト」として実施される本イベントは今回で5回目。
マルハンと体験型イベントの第一人者・アフロマンスさんをはじめとした10名のクリエイターがタッグを組んだ“超刺激型”銭湯イベントです。脳内ドーパミンがあふれ出すような仕掛けが館内の至るところに散りばめられ、まさに五感の総攻撃。
そんなイベント内容の一部をご紹介します。
そもそも「脳汁」とは? ── その正体と快感
「脳汁」とはもともとパチンコ用語で、アタリを引いた瞬間に体がゾクゾクする感覚──
いわば“快感ホルモン”が噴き出す感覚を表した造語です。科学的に言えば、何かを達成した瞬間や興奮・没入・心地よさを味わったとき、脳内で放出される「ドーパミン」「エンドルフィン」などの神経伝達物質の分泌が高まることを指します。
好きなものに没頭した瞬間、大成功したときのうれしさ、コンテンツに夢中になって時間を忘れる感じ、思わず「やばい」「気持ちいい」「最高」と声が出てしまう感覚――。そんな“非日常レベルの多幸感”を体験させてしまおう!と作られたのが 「脳汁銭湯」 です。
入浴しながら興奮・悦楽・驚き・笑い・没入を一気に味わえる、まったく新しい“体験型の風呂カルチャー”と言えます。
視覚・聴覚・遊び心で攻める「脳汁銭湯」の内部

まず入口から衝撃。暖簾にはLEDが光り、まるでパチンコ店のネオンのよう。中に入ると一見普通の銭湯ですが、貼られたポスターや装飾には“クスッと笑える小ネタ”が多数。

例えばサウナの熱波師ならぬ「泡立師」が来店というポスターや、福男ではなく服男レースが開催など、よくよく読んだら『おかしいな…』そう思ってしまうようなポスターがいろいろなところに貼ってあります。

極めつけは改正湯の店長も「常時監視」されたり歴代の脳汁銭湯店主の写真として使われたり、ネタにされまくっています。
それぞれのクリエイターのアイデアがあまりにも多すぎて、本物の銭湯ポスターとネタポスターの区別がつかないほど内容が濃く、読み応えがあります。

イベントを監修したアフロマンスさんはこれまで泡まみれの体験型イベント「泡パ」、120万枚の花びらに埋もれることができるインドア花見「SAKURA CHILL BAR(サクラチルバー) by 佐賀」、光輝く路面電車でほくほくの焼き芋を楽しむ「マグマやきいも電車」など、革新的な企画を多数手掛けてきた人物。彼の案内で進む銭湯内には“脳汁仕様”の仕掛けが次々登場します。

まずはメイン演出、動く銭湯壁画です。こちらは映像作家チーム「最後の手段」によるプロジェクションマッピング壁画。一定の時間になると、パチンコの“フィーバータイム”演出が大迫力で展開します。

そして浴場に並ぶカランは電飾が施され、パチンコ台さながらの札、風呂桶は「出玉ケース風」。あえてパチンコの出玉ケースを模したデザインになっています。
「鏡の前でみんな横に座って黙々と体を洗っている光景が、ちょっとパチンコっぽい、と思いまして、そんなイメージにしてみました」(アフロマンスさん)

上を見上げると巨大脳みそバルーンが男女の浴場を隔てる壁を跨いで鎮座しており、他の銭湯にはない圧倒的な存在感に圧倒されます。

例年と同じようにお湯に耳まで浸かるとダンスミュージックがガンガン響く最新型サウンド風呂「脳内確変の湯」も登場しています。今回はさらにバージョンアップして、指向性スピーカーで、声優・天神英貴さんの“イケボ囁き”が耳元を直撃する演出が用意されています。

さらに「アヒル探しの湯」も健在です。大量のアヒルの中に“当たり”が隠されており、見つければミッションに挑戦できる、謎解き要素も追加されています。
見どころはすべてのアヒルが違うデザインというこだわり要素です。グラフィックデザイナー兼謎解きクリエイターの「なぞのデザイナー」さんが手掛ける何百というアヒルたちを見るのも楽しいかもしれません。
もはや「入浴なのかアトラクションなのか」分からなくなる世界観。一度ハマると抜け出せずのぼせてしまうかもしれません。
