ブランドを象徴するティファニーブルーとは？
世界5大ジュエラーにも数えられる、アメリカ・ニューヨーク発の老舗ジュエリーブランド「ティファニー（Tiffany&Co）」。そんなティファニーを象徴するカラーがティファニーブルーです。まずはティファニーブルーの歴史を覗いてみましょう。
ティファニー（Tiffany&Co）のブランドカラー
ティファニーブルー（Tiffany Blue）とは、ティファニーで使われるやわらかい色合いのターコイズブルーのカラーを指します。一般的なターコイズブルーよりも、少し明るく薄いのが特徴です。
洗練された上品な印象が魅力で、ジュエリーだけではなくジュエリーを包むボックスや手さげ袋などにも使われ、ブランドを象徴するカラーとなっています。ロゴがなくてもカラーを見ただけでティファニーを思い浮かべる人も多く、「ティファニーの品質保証」を示す印のような存在です。
ティファニーブルーの歴史
ティファニーブルーが登場したのは1845年、ブランド創業から8年後のこと。この年にティファニーが発行したアメリカ初のメールオーダーカタログ「ブルーブック」の表紙に採用されたのが始まりです。当時はヨーロッパの上流階級に向けて商品を紹介していて、遠くからでも購入できる画期的な仕組みとしてメールオーダーカタログは注目を集めました。
やがてティファニーブルーは、ジュエリーやボックス、店舗の外装、広告にも使用されるようになり、認知度が高まっていきます。1998年にティファニーが商標登録をして以降、ブランドカラーとして定着しました。ティファニーブルーの色合いは、創業年にちなんで「1837 Blue」と名付けられています。
ティファニーブルーの由来と選ばれた理由
ティファニーブルーの色合いは、コマドリの卵の色に由来するとされます。ヨーロッパで春の訪れを告げる「幸運をもたらす鳥」として親しまれているコマドリは、鮮やかなブルーの卵を産む珍しい鳥。また、ブルーは真実や高潔を表す色でもあり、イギリスでは土地や資産などの重要な事柄を記録する台帳の表紙に使用されてきました。これらのイメージから、ティファニーブルーには「喜びをもたらすことを保証する色」との意味が込められています。
ティファニーブルーをブランドのシンボルとして選んだのは、創業者のチャールズ・ルイス・ティファニーです。当時、ターコイズジェムストーンをあしらったジュエリーが世界的に人気だったことや、明るく優しい色合いでどんな宝石とも相性が良いことから選ばれたといわれています。
嘘？本当？ティファニーブルーにまつわる噂
ティファニーブルーは、ティファニーが大切にする特別な色。それだけにさまざまな逸話があります。ちまたで囁かれる噂について解き明かします。
ティファニーブルーを勝手に使ってはいけない？
ティファニーブルーは商標登録されているため、使用には注意が必要です。ティファニーブルーの正式なカラーコードは公開されていませんが、他の企業やブランドが模倣して商業利用することは不可となっています。無断使用すると消費者にティファニー製品であるかのような誤解を与え、ティファニーのブランドイメージを損ない、法的な問題になる可能性があります。
なお、個人的な使用や、非商業的なデザインで近いカラーを使うことは問題ありません。ただしティファニーと誤認識されないように心がける必要はあります。
ティファニーブルーのボックスだけ購入できる？
結論として、ティファニーのボックスだけを購入することはできません。ティファニーブルーの美しい「ブルーボックス」は世界中の多くの女性が憧れ、永く愛されるパッケージ。あまりの人気ぶりから、このボックスだけほしいという人もいますが、ボックスのみの販売は行われていません。
ブルーボックスはただの包装資材ではなく、ジュエリーの購入者だけが手に入れられる特別なものです。「箱だけ売ってほしい」という多くの声に対し、創業者のチャールズ・ルイス・ティファニーは「ジュエリーを購入していただければ、喜んでボックスをプレゼントする」と語っています。
ティファニーブルーがイエローに変わる？
2021年の4月1日、ティファニーは公式インスタグラムで「Introducing our new House color.（新たなブランドカラーのご紹介）」としてイエローを基調としたイメージ写真を公開しました。これはエイプリルフールの嘘で、翌日には「ティファニーブルーを変えることはない」と投稿しています。
しかし実際にロサンゼルスなどの一部店舗の外装がイエローに変わったり、その後もイエローで彩ったイベントを開催したりしており、「本当にティファニーブルーが変わってしまうのでは」と不安の声があがりました。しかしこれらも期間限定のことで、正式にイエローに変わった事実はありません。
