
小日向文世さん(2023年5月30日、時事通信フォト)
【画像】え…っ! 夫婦で立って並ぶと「なんか小っちゃくてかわいい」 コチラが小泉八雲さん(ギリシャ出身)と小泉セツさん(日本人)の身長差です
勘右衛門の妻はどんな人だったのか
2025年後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』は『知られぬ日本の面影』『怪談』などの名作文学を残した小泉八雲(パトリック・ラフカディオ・ハーン)さんと、彼を支え、さまざまな怪談を語った妻の小泉セツさんがモデルの物語です。
第9週では主人公「松野トキ(演:高石あかり)」の養祖父「勘右衛門(演:小日向文世)」に、「春」が訪れたことが話題になっています。勘右衛門は、剣術やスキップを教えている近所の子供の祖母「上野タツ(演:朝加真由美)」に惚れてしまったのです。
勘右衛門は恋をして頭が柔らかくなったのか、43話では40歳の「レフカダ・ヘブン(演:トミー・バストウ)」が知事の娘「江藤リヨ(演:北香那)」と「仲良くしている」という話を聞いた際も、「人生というのは何が起こるか分からん。いきなり春が訪れることもあるんだないかのう」と語り、息子の「司之介(演:岡部たかし)」を驚かせていました。
SNSではそんな勘右衛門に関して、「ツルさんと一緒にトキを見送るおじじ様が満面の笑みで可愛いおじじ様の恋は成就して欲しいです」「勘右衛門ことスキップ師匠にロマンス生まれてるから、『ええ歳で恋愛』に関して物申せないの可愛い」「勘右衛門も柔らかい方が魅力的ですね。小日向さんというキャスティングがさらに活きる」「勘右衛門、恋をして価値観めっちゃ変わっとるやん」と、さまざまな意見が出ています。
また、なかには「勘右衛門さんの過去はこれまでほとんど描写されていないのに、タツさんが登場されてからの表情の変化に『奥様(司之介の母)とはどんなご夫婦だったのだろう』『早くに亡くされてずっと寂しかったのだろうか』と思いを馳せてしまう」といった意見もありました。
これまでの『ばけばけ』では、勘右衛門の妻は特に話題に出てきていません。勘右衛門は妻と死別したのか、離縁したのかも不明です。
勘右衛門のモデル・稲垣万右衛門さん(小泉セツさんの養祖父)は、明治時代になっても武士としての生活を続けた人物で、古事記にある日本最古の和歌「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を」をもとに、ラフカディオ・ハーンさんの日本名「小泉八雲」を考えたことでも知られています。しかし、彼の妻に関しては、残っている情報がほとんどありません。
歴史家の長谷川洋二さんが、小泉セツさんとその周辺人物について細かく調べ上げた評伝『八雲の妻 小泉セツの生涯』には、万右衛門さんのほか、稲垣家、小泉家の親兄弟の情報も多数載っているのですが、セツさんの養祖母に当たる万右衛門さんの妻に関しては名前も不明です。
長谷川さんは稲垣家の代々の墓がある松江市の万寿寺の墓碑と過去帳を確認し、万右衛門さんの妻は1876年(明治9年)8月13日まで生きていた(当時セツさんは8歳)ことを綴っています。しかし、彼女は過去帳でも「金十郎の母」としか書かれていなかったそうです。
セツさんの後年の手記でも全く話題に出てきていないことから、万右衛門さんの妻は何らかの理由で稲垣家のほかの家族とは離れて暮らしていたと思われます。
史実では万右衛門さんの妻がどのような人物だったのかは不明ですが、『ばけばけ』では今後、勘右衛門の恋物語が進むなかで彼の妻に関して語られることがあるかもしれません。今後に注目です。
※高石あかりさんの「高」は正式には「はしごだか」
参考書籍:『八雲の妻 小泉セツの生涯』(著:長谷川洋二/潮出版社)
