紅葉シーズンまっただ中。東京でも各地で黄金色に染まったイチョウ並木の景観が楽しめるようになった。都内でイチョウ並木の名所として知られるのが、港区の明治神宮外苑や六本木けやき坂だが、ここ数日、界隈には「映え」を求めるインフルエンサーたちが殺到。写真を撮るために赤信号での横断、車道中央にまで出る、といった不届きな輩が続出し、警備員が連日、対応に追われている。
全国紙社会部記者が言う。
「けやき坂では昨年も横断歩道の信号が青に変わるたび、観光客が堂々と車道に出てイルミネーションを撮影する行為が相次ぎました。今年は警備員の数を3倍に増員し、規制線を張って、信号が点滅し始めると横断歩道にいる人々を一斉に誘導するなどの対応にあたっています。それでも警備員に暴言を浴びせたり、従わない者がいるようですが…」
明治神宮外苑でも、木の保護のために立ち入り禁止ロープが張られている場所に入り込み、撮影する外国人観光客があとを絶たないが、
「樹木医によれば、木の根元周辺がたびたび観光客が踏みつけられることで土壌が硬く締まり、呼吸できず衰弱しているイチョウの木があるそうです。このままでは数年で枯死する、との深刻な診断があり、管理する行政サイドは深刻に受け止めています」(前出・社会部記者)
都内には名所とされるところのみならず、住宅街にもイチョウがきれいに咲いている場所は多数ある。実はそんな場所でもインフルエンサーらによる、SNSでの「いいね」や金銭的な利益を目的とした、過激な迷惑行為が続出しているのだ。
「無断駐車した挙げ句、敷地内に侵入して撮影したり、目立つために木を揺すって葉を落としたり、さらには公衆トイレがないことで塀の隙間で立ち小便したりと、迷惑行為がエスカレート。周辺住民が頭を抱える地域があります。投稿ひとつで大きな広告収入が得られる彼らとしては、なんとしても話題性のある写真を撮りたいのでしょうが、周辺住民にとっては迷惑以外のなにものでもない。行政の対応にも不満の声が上がっています」(前出・社会部記者)
樹木の維持管理には多くの税金が投入されるが、迷惑行為への対策は「立て看板のみ」という場当たり的なものが目立つ。迷惑インフルエンサーはもとより、そんな行政に対しても、イチョウ並木周辺で暮らす住民の怒りは収まらないのである。
(灯倫太郎)

