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「全く納得していません」出番なしが続いた日本代表DFが指揮官に伝えた本音。試合前日に告げられた突然の“アンカー起用”で奮闘も…CL5連敗に「キツかった」【現地発】

「全く納得していません」出番なしが続いた日本代表DFが指揮官に伝えた本音。試合前日に告げられた突然の“アンカー起用”で奮闘も…CL5連敗に「キツかった」【現地発】


 11月25日、アヤックスが0−2でベンフィカに敗れ、チャンピオンズリーグ(CL)で開幕から5連敗を喫した後、ミックスゾーンに姿を現した板倉滉は「キツかった。キツかったけれど...」と口を開いてから言葉をつなげた。

「急に昨日、『ボランチをやれ』と言われたんです。練習なしの、ぶっつけ本番でした。だけど、やるべきことはちゃんとできたかな。欲を言えば、もっともっと出来たこともあるんですけれど、“今できること”に関しては落ち着いてできました」

 オランダリーグでも6位に沈むアヤックスにはいくつもの不振の要因があるが、そのひとつがアンカーの人材不足だ。ジョーダン・ヘンダーソン(イングランド代表/ブレントフォード)の抜けた穴をジェームズ・マコーネル(←リバプールU-21)のレンタル補強で済まそうとしたアレックス・クルースTD(当時)に、メディア、ファンから厳しい目が向けられている。
 
 一方、板倉はCL前節の対ガラタサライ、直近のオランダリーグ2試合、合わせて3試合で出番なしに終わっていた。2019年1月、フローニンゲンに加入してから半年間、板倉はデニー・バイス監督(現フォルトゥナ・シッタルト)に見向きもされずリザーブチームでくすぶっていた。しかし19/20シーズンにCBとして才能が花開くと、負傷した時期を除けば、板倉がベンチを温めることはめったになかった。以下、ベンフィカ戦後、板倉の述懐だ。

「ボルシアMGのときにレッドカードで退場したときに、(自身が出場停止した)次の試合で勝ってベンチスタートというのはありました。でも、この感じは(フローニンゲン加入以来)久々ですね」

――だから今日への思いは強かったのでは?

「もちろん、(まだ若く、この先不安だった)フローニンゲンの時とは違うというか。出たらやれるというのがある。でもアヤックスで試合に出ても難しいのも感じている。だから、そこまでメンタルがブレることは無かったです」

「一回、話し合おう」とフレッド・フリム監督にベンフィカ戦の前日呼ばれた板倉は「どうだ?」と聞かれて「自分の現状に全く納得してません」とハッキリと答えた。それから指揮官は「コウ、明日は6番をやってほしい」と告げた。
 
 アヤックスがエクセルシオールに1−2で敗れる失態を演じてから中2日。「チームの状況から、自分に再び出番があるだろうな」と感じていた板倉だったが、戦術練習を一回もすることなくMFとしてプレーするのは、予想の斜め上を行っていた。
 
「ビックリというか。だって練習なしだったから。エクセルシオール戦に出場した選手たちは中2日でリカバリーだから、ベンフィカ戦前はちゃんとした練習が出来なかったんですよね。だからマジで『ええっ!?』みたいになりました」

 だからベンフィカ戦の前半、アンカーを務めた板倉も、その周囲の選手たちも連携を探るようにプレーしているように見えた。しかも開始早々の6分、今季のアヤックスの弱点であるセットプレーから先制点をベンフィカに許してしまった。

「モウリーニョ率いるチーム相手に1点を追う展開の試合はなかなか難しい――と感じながらプレーしてました」

 4バックのアヤックスがポゼッション時に3バックに可変した時、超攻撃的左SBヴァインダルが、CBシュタロ、バースと最終ラインを組み、板倉がMFに居残り続けるというチグハグなシーンが前半開始から散見された。しかし、やがてヴァインダルが前に出ていって、板倉が最終ラインに引く形が生まれだした。

「前半の最初は、自分が真ん中(=アンカー)に立っていることで、(相手の)フォワード2枚が気にしていて、(パスデリバリーに苦しむアヤックスのCB陣を)助けられるという思いがあった。だけど試合中、選手内で『5-4-1の方がハマる。5枚にしよう』と話をして(システムを)5バックにしたんです」

 前半終わり頃、板倉が2度続けて相手ボールを刈り取った。彼らしいプレーが出てきたところで前半終了の笛が鳴った。

「前半の途中、自分がたまに最終ラインの左や真ん中に動きながら落ちたりしてたのをテクニカルスタッフが見て『後半は(3バックシステムの)右センターバックに入ってくれ』と言われました。『自分が右センターバックに入ることでビルドアップの助けになれば』と思ってました」

 ここから板倉の能動的な守備と、視野の広いパスデリバリーが出始めた。板倉をアンカーに置くシステムに続き、ベンフィカ戦のアヤックスは板倉、シュタロ、バースのトリオで組む3バックシステムも即興で作ってしまった。

「そうです、そうです。全部ぶっつけ本番。でも日本代表でやっているので、自分は3バックシステムを違和感なくできます。サイドバックは(先発した右SBレヘールと)途中出場のモキオが中盤もできる選手だったので、彼らが中に入ってきたり可変することができました」

 こうして後半、一方的にベンフィカ陣内に押し込んだアヤックスは次々にコーナーキックを獲得したが、モウリーニョ率いるベンフィカの守備網はアヤックスになかなかシュートを打たせなかった。
 
 試合終盤、急造3バックにほころびが出た。ベンフィカにセカンドボールを拾われてから、一気呵成にワンツーで板倉が背後を取られ0−2となるダメ押し弾を決められてしまったのだ。あの時間帯、シュタロと板倉のポジションが入れ替わっていた。

「もちろん、自分が守らないといけなかった。だけど、その前のセカンドボールで行けないといけない。あれだけオープンな状況になって、大きなスペースを守れと言われても難しい。そういうシーンが後半、チームとしてちょくちょく出てました。何故かわからないけれど、(失点シーンの前あたりから)自分が真ん中のセンターバックにいました。本来だったら自分が右センターバックで、セカンドボールに行けたと思います。そこに(誰も)行けなかったのが一番の問題でした」

 ホームにもかかわらず、11月5日のガラタサライ戦を0-3の大差で落とした後、主将のクラーセンは「チームの土台ができてない。ここまで積み上げてきたものがない」とフラストレーションを一気に吐き出した。そして翌日、ハイティンハ監督が更迭され、コーチのフリムがウインターブレークまで指揮を採ることになった。

「板倉滉のMF抜擢はCL限定か? それともオランダリーグでもあり得るのか?」と会見で問われたフリム監督は「私の答えは後者です」と答えた。
 
 4-3-3がクラブ哲学でもあるアヤックスは、4-3-3を基軸にしながら、昨季のファリオリ(現ポルト)率いたチームのように4-4-2、5-4-1に可変するシステムを構築してくのではないだろうか。それがアヤックスの“土台”になるはずだ。

 板倉はベンフィカ戦での“6番”の役割をこう振り返った。

「今日勝てたらそれが一番だったけれど、自分の持ってるものを出せたと思う。本来だったら中盤として、もっと前に向いて、もっと前に刺すことをしなきゃいけないと思いつつも、いま出来ることにフォーカスを向けたら、できたんじゃないかなと思います」

 ぶっつけ本番が重なったベンフィカ戦のアヤックス。その中で板倉の出来は決して満足行くものではなかったが、その背景を知り尽くすフリム監督は「コウはよくやった」と称えていた。

取材・文●中田徹

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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